でぃすてにぃ

□4
1ページ/2ページ


久しぶりに部活のない土曜日。
私は所用で東京まで足を運んだ。





詐欺師と一緒に。




「どうじゃった?」


「うん、特には。進行状況は予想通りだって。」


「ほうか。なんちゅーやつやったかのぅ…」


「さぁ、私も名前は覚えてない。


…1種の心臓病かな?」


そう、東京に来たのはかかりつけの病院に行くため。詐欺師は詐欺師の母親であるおばさんに言われて、付き添ってくれた。
私の身体はストレスやなんやらでボロボロ。そしてそれは心臓にも負担をかけ、すでに寿命宣告までされている。


「こんなの精市達にバレたら即刻退部だね。」


「それが嫌じゃから黙っとるんじゃろ?」


優しく、生死を彷徨った彼だから、きっと私の身を案じて退部を迫るんだろう。
そんなことされたら、私は全てを失くしてしまうのだけど。


「まぁね。」


因みにストレスは現在のものではなく、過去の、小学生の時からのもの。
それは詐欺師にどうすることも出来ないことなのに、自分のせいだと思い込んで私につきまとう。


「ねー、私が死んだら悲しんでくれるかな?」


「…ピヨ。」


「…マサは?」


「…。大泣きするぜよ。」


「あらー、恥ずかしい。」


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ