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□ウラハラな君と僕
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「世の中はバレンタインデーだそうですよ、ボンゴレ」

例えばマフィアを憎んでいるちょっと頭(と髪型)のおかしい中学生が居たとして、そいつが巨大マフィアのボス候補に色目を使ってきたら君はどうするだろう。
俺ならとりあえず引く。引きまくる。そして出来れば全てを見なかったことに‥‥

「おやおや無視ですか」
「‥‥‥‥」
「クフフ、僕はわかっていますよ。本当は照れ隠しなのでしょう?」
「‥‥‥‥」
「ほう、そうですか。チョコではなく君自身を僕に‥‥」
「! 何言ってんだよ骸っ!」

――したかったけど無理だった。

眼前には満面の笑みを浮かべる六道骸。(つうか幻覚じゃね?)
骸は俺の手を取ると何故か甲にキスをし、更に気色悪くクフフと笑う。
きっと奴を訴えれば不法侵入やらセクハラやらで俺は勝つだろう。
‥‥でも、骸がそんなことに素直に従う人間じゃないことくらい俺だって知っている。
だから睨む。おもいっきり睨む。
それってめちゃくちゃかっこ悪いけど、まあ少しの辛抱だろ。

「本当情けねぇな。ダメツナ」
「‥‥って、リボーン!?また俺の心を勝手に‥‥つか居るなら最初から助けてよ!」
「クフフ、お久しぶりですアルコバレーノ。君のささやかな心遣いに感謝しますよ」
「礼には及ばねぇぞ。俺も家庭教師としてツナが童貞を捨てるのは大歓迎だからな」
「童貞?処女の間違いでしょう」
「ちょっ‥話が飛躍し過ぎてるんですけど!?」
「クッフフ〜ン」

あ、今のはリボーンです。

‥‥じゃなくて!意味がわからない!わかりたくないっ!!

「何二人とも勝手なこと言ってんの!?」
俺は頭を抱えつつ叫ぶ。
既に頭の中は俺の処理出来る許容範囲ってやつを越えてるけど、そういうのは、何て言うか、あんまりだろう。

けど骸同様、リボーンに常識が通用しないことはもっとよく知っているわけで。

「うるせぇ。ダメツナの分際でごちゃごちゃ言うな」
「そうですよ、君は大人しく僕に身体を預ければ良いんです」
「‥‥た、助けてぇぇぇ!!」

俺に向けられたのは銃口と重すぎる愛。(‥‥愛?)
結局泣き言を言ってしまう俺はまだまだ弱いけど、それでも賑やかな夜はちょっとだけ嬉しい‥‥なんて言えない俺も素直じゃないんだけどね。





ウラハラな君と僕


(お呼びですか十代目ぇぇ!)
(ご、獄寺くん!?)
(! てめぇは六道骸!十代目に何をした!?)
(クフフ、そうですねぇ。沢田綱吉の貞操を頂いた‥‥とでも言っておきましょうか)
(なっ‥まだあげてないだろ!)
(!! まだって何ですか十代目ぇぇぇぇ!!)

(クッフフ〜ン)







110210


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