雪色・本冬

□冬の花火
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『一緒に見に行きたいなぁ。』



冗談混じりに言ってみたら優しい言葉が帰って来た。



「良いぜ。駅前に5時な。」








逸る気持ちを抑えながらも急ぎ足になっちゃう駅までの道のりでもショーウィンドウに映る自分の姿をチェックしちゃう。




髪型は変じゃない?


この服は似合ってる?



少しスカート丈短かったかな?


もっとブーツのヒール高いのにすれば良かったな。





何度も何度も着替えてやって決めてたのにな。


どんなに悩んでも正解なんてないよ。




好みの髪型や服装は、あたしとは真逆なんだもん。




だったら、あたしらしくで良いのかな?なんて思って選んだんだよ。


駅前には待ち合わせ時間より早く着いちゃったな。



待ち合わせをしている人で溢れんばかりの駅前には待ち合わせをした人と出逢い幸せそうな顔して人混みへと消えて行く。




あたしも大好きな人と今年のクリスマスを過ごしてみたかったの。


―今日は終業式。




『来年の始業式まで片想いの人と逢えないんだな。』




なんて思いながら教室に向かっていた。



「おはよう!
メリークリスマス!」




突然、後ろから朝練帰りの大好きな人に声を掛けられた!



驚いたのと嬉しいのと焦ったのとでドキドキしちゃったじゃない。





『おっ、おはよ!
メリークリスマスっ亮!』





笑いながら背の高い彼は、あたしの頭をポンっと軽く叩き…




「寝ぼけてんのか?
クリスマスって事も忘れてたみてぇだな。」
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