dream

□嘘ばっか
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あれから白石くんは私に時々、綺麗な笑顔を向けてくれた。周りに見せる胡散臭い笑いではない。それが凄く嬉しかった。他の子とは違う、私にだけ心を許してくれてる、と浅はかな私は自惚れた。

―そんなこと有り得ないと知っていた筈なのに

帰りに教室に残り4階の窓から見えるテニスコートを眺めるのが私の日課だった。白石くんは輝いていて、いつも笑っていて。ストーカーちっくかもしれないが、これだけが私の数少ない幸せだった。そして今は大会があるので無理だが、いつかは隣に立てると思い込んでいた。

―美男には美女が付くと分かっていた筈なのに

時は経ち、全国大会が終わった。四天宝寺は青春学園に負けてしまった。白石くんは天才不二に勝ったらしい。よかった、白石くんが負けなくて。でも、白石くんは落ち込んでいるらしい。こんな時は慰めに、話を聞きに行かなきゃね。相思相愛の彼女なんだもの。
白石くんは多分、テニスコートにいるだろう。私は走って走って辿り着いて目を見開いて崩れ落ちた。テニスコートには白石くんと、可愛いマネージャーがいた。抱き合っていた。そういえば前聞いたことがある。白石くんはテニス部の可愛いマネージャーと付き合ってるって。有り得ないと思い込んだ私は忘れていた。彼には相手がいたことを。涙を見せれる相手がいたことを。校舎の影でただ一人涙を流す私を慰めてくれる王子様はいないことを。


少女漫画なんか嘘ばっか

やっぱり凡人には無理なんじゃないの。嘘つき。


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主人公ちゃんが狂った\(^q^)/予想と違いすぎて泣きそう(笑)

0713 私



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