dream

□知らないわ、と君は微笑んだ
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即座に気付いた。横断歩道に居る女は彼女だ、と。その隣には他の男が居て仲良さそうに話し込んでいる。このでかい大通りの向かい側にいる僕なんかに気付きやしないだろう。つい先程、赤になったばかりだ。


高2の頃、僕はモテていた。尋常じゃないくらいにね。今までだってモテていたけど、いわゆるモテ期だ。1日に最低でも3回は告白される、そんな毎日を送っていた。俺には可愛い彼女がいた。大好きで一番大切だった彼女だ。他の何よりも大事にした。そんな想いも好奇心には勝てなかった。一度、他の女と寝た。彼女は純粋で何より大切だったから手出しできなかった。そこに現れた他の女。都合がよかった。楽しかった。癖になった。やめられなくなった。悪気がなくなった。それから色んな女と遊ぶようになった。そして段々と彼女のことを煩わしく思うようになった。
そんなある日、偶然彼女に他校のケバい女とキスをしている所を見られた。
何、してる、の?
彼女の震えた小さな声に、
あ、やばい。
と思ったが、
ねぇ清純の知り合い?
と女に聞かれ、
僕は知らないな。
口から出たのはその言葉。彼女は驚愕したのか俯き、そしてすぐに走って何処かへ去った。

その晩、一通のメールが届いた。サヨウナラ。彼女からだ。胸にモヤモヤが広がったが無視をした。それから他の女と遊べなくなった。心苦しくなった。彼女に電話した、繋がらない。彼女にメールした、届かない。後悔をした。泣いた。愛していた、いや今でも愛している。

その彼女が横断歩道の向こうにいる。久しぶりに見た彼女は変わっていなく、少し髪が伸び大人っぽくなっただけだった。もう少しで青になる。声を掛けよう、連絡先を聞こう、愛を囁こう、男なんか居ても奪ってやればいい。


青に変わった。一斉に動き出す人々。彼女を見失わないよう視線を送り続けた。丁度中間地点。二人の間は2mぐらいだ。目を見開く彼女。しかし、すぐ普通の顔に戻る。あれ、知り合い?と隣の男が尋ねる。彼女は首をゆっくり横に振った。



知らないわ、と彼女は微笑んだ




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読みにくすぎるし内容腐っとる←
簡単に言えばやり返された千石ね←


0516.私



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