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□俺とお前の相違点
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俺はまた、臨也の家の玄関で立ち尽くした。


部屋の奥から談笑が聞こえる。


学生くらいと思われる若い女の声。


それに時々混ざって聞こえる、臨也の声。


「…。」


俺はいつも立ち尽くした。


引き返そうか、あるいは今度こそガツンと言ってやろうか、とか…そんな感じのことを考えるからだ。


「(…臨也…。)」


最近ずっとこうだ。


せっかく恋人の臨也に会いに来ても、必ず先客がいる。


俺と付き合い出す前からこういうことをやっていた、というのは本人から聞いていて知っていた。


親から虐待を受けたりした女の子の居所になってやっている、と。


最初は良いんじゃねぇの、と俺も妥協はしていた。


だが最近このガキどもが、俺が臨也に会いに来るときに限って、いる。


明らかに作為的だろう、とさ思えるほどの確率だ。


「(…まさか、な。)」


何度も、俺は自分に言い聞かせる。


「(…あいつに、愛想尽かされた、なんてな…。)」


出直そう、と俺は踵を返しドアノブを握った。


「シズちゃん。」


声をかけられたのはその時だ。


「臨也…。」


首だけ振り返ると、そこにいたのは臨也。


会いたかったはずなのに、何だか複雑だ。


「帰っちゃうの?せっかくなんだから上がっていきなよ。」


「…今はガキ共の相手してんだろ。」


 ぎにゃり


自分で思っていたよりも、自分の声は怒気を含んでいた。


更に証拠付けるように、俺はドアノブを握りつぶし、手の形そのままに変形させちまった。


「あの子たちのことは気にしないでいいよ。それとも紹介してあげる?」


「嫌だ。」


「つれないなぁ…俺のこと嫌いになっちゃった?」


「それは…。」


そんなわけねぇ。


昔のような関係はもう終わったのだ。


…でもそんな小っ恥ずかしいこと口に出せるわけねぇわけで…。


すると臨也は素早く俺の横に回ってきて手を取る。


「じゃ、来て。」


「え…あ、おい!」


臨也はそのまま俺の手を引っ張ってぐいぐい室内へ。




あいにく、室内の大きめのソファには6人くらいの少女たちがいた。


「皆、ちょっと聞いてくれる?」


臨也は俺の手は離さないまま、そのガキ共に言った。


ガキ共が一斉に振り返る。


「おい、臨也…。」


いたたまれなくなって臨也を呼ぶが、スルーして臨也は続けた。


「紹介するよ。これ、俺の彼氏ね?よろしく。」


「あ、前から言ってた恋人さんですか?」「かっこいい!」「背高い!!」…


ざわざわざわ…。


ガキ共がざわめく。


どうしていいか分からず、俺は立ち尽くした。


「ほら、シズちゃんも何か言ったら?」


「え?」


臨也に言われて、とりあえず名乗っておく。


「あー…平和島静雄だ。」
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