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□怖がらなくていいよ、
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※静雄がだいぶ辱しめられてます←








「いーざーやぁぁあ!!」

また池袋に臨也が来た。俺は手近にあったポストを奴に投げる。

「はは、当たってないよ?シズちゃん!」

野郎はポストをひらりとかわし、バタバタと走って行く。ったくあのノミ蟲チョロチョロチョロチョロと…!!

「死ねぇぇえええ!!!」

今度は自販機を投げてやる。しかしまたもや奴はひらりとよけ、やがて路地裏への角を曲がった。俺もその後を追い、近くにあった標識を引っこ抜くと角を曲がる。今日こそ息の根止めてやらぁ…!!!

「臨也ぁぁあ!!」

しかし俺が見たのは、何故かハンカチを口に当てこちらを見る臨也。立ち止まっていたノミ蟲に、幾分驚きながらその姿を見る。奴が観念するなんてあり得ない。俺は思わず立ち止まった。

今考えればそれがいけなかったんだ―。

辺りに立ち込める煙に気付いたのはその直後。

「…?」

何だ、と思ったときには遅かった。

「…ッ!?」

突然頭がくらりと揺れた。そのまま、壁にもたれかかる。

 駄目だ…立って…られねぇ?

俺はがくんと、地面に膝をつく。

「あ〜あ、やっぱり単細胞だなシズちゃんは…。」

かすれていく意識の中、くぐもった臨也の声。

「て…め…。なに…を…。」

俺はそのまま地面に倒れ、意識を失った。






次に俺が目を覚ましたのは知らない部屋だった。

「…?」

知らない天井。更にはベッドに、大の字で寝かされていた。

「何だ…?」

「やぁ、おはようシズちゃん。」

「…!?」

そんな時に、一番聞きたくない声が足の方から耳に入ってくる。姿は見えないが確実にいる。

「…臨也!!」

俺はとっさに体を起こす。いや…起こそうとした。

「…ぅっ…!?」

そこで俺は体の異変に気付く。

 体が…動かねぇ…!?

「ははは!!効いてるみたいだね?」

臨也は俺のベッドの横に立ち、にやりと俺を見下ろしていた。

「効い…てる?」

「そ。シズちゃんさっき、煙吸ったでしょ?あれ、超強力な麻酔薬!」

楽しそうに言う臨也。にこにことその顔に張り付けられた笑みから、真意は読み取れない。

「麻酔…薬?」

「そう、しかも成人用の奴を5倍くらい強力にした奴!!そして眠った君をここまで引っ張ってきて、目覚める前に今度はこれまた超強力な麻痺薬をたっぷり吸わせてやったってわけ!まぁさすがはシズちゃん、喋るくらいはどうってことないみたいだけど…どう?指一本動かないんじゃない?」

認めるのが癪で、俺は話を反らす。

「…てめぇ、んでこんなことしやがった。」

すると臨也は、張り付けた笑みを消し、冷徹な視線で俺を見下ろした。

「何で?」

そして、凍てつく声でそう俺に呟く。

「…決まってるじゃないか。」

すると臨也が、俺の顔に自分の顔をぐっと寄せた。

 近ぇ、何だこいつ…!?

なおも凍てついた双眼で、臨也は俺をのぞきこむ。

そして、その薄い唇が動いた。

「好きだから。」

「……………は?」

今、こいつは何て言った?好きだから?

「どういうことだ?てめえ何言ってる?」

「男同士、とか言いたいわけ?この世には同性愛ってもんがあるんだよ、知らないの?そもそもアメリカなんかでは同姓婚だって不思議じゃないんだ。分かった?」

「んなことじゃねぇ!何でてめぇなんかが」

俺のことを。

俺が続けようとした言葉を、臨也が遮る。いきなり奴の顔が余計近付いてきて、唇が動かせなくなったからだ。

「…!?!?」

頭がフリーズする。俺の唇に、冷たく柔らかい感触―。

 俺、キスされて…!?

嫌だ。気持ち悪い。息が出来ない。喋れない。何で男なんかと―よりによって臨也なんかと…!

殺してやりたい。

俺は今までの中で一番強くそう思った。でもこいつの薬のせいで指一本動かせない。やがて、口内へ臨也の舌が侵入してくる。

「…んんッ!?」

俺はまた頭がフリーズし、どうしていいか分からなくなった。とにかく俺の舌と触れ合うのだけは嫌で、俺は自分の舌を右へ左へと避難させる。しかし口内の、臨也の生ぬるいその舌はしつこく追ってきて、更には俺の歯列をもなぞった。

この舌を噛み切ってやりたい。

そう思うも、突然のことに動揺してるのか薬のせいなのか、はたまたその両方なのか、なかなか力が入らない。遂に俺の舌は臨也のそれに絡め取られた。

「――っ!!―――!」

俺が、息苦しさもあり無言の抵抗を示す。すると臨也も気付いたようで、やっと唇が離された。

「てめぇ臨也この野郎!!!何しやがる!?」

俺は出せる力の限りを尽くして叫ぶ。その後少しむせた。

「何って、シズちゃんが言ったんだよ?俺が好きだから、って言ったら君がどういうことだ、ってね。」

不気味な笑みをたたえ、お互いの息がかかるような距離で臨也が口にした言葉。そして言い終わるなり、臨也は自分の右人差し指で俺の唇をゆっくりなぞる。

「っ…!やめっ…!!」

気持ち悪い上にくすぐったい。俺は抵抗の言葉を何とか絞り出すが今のこいつにそんなものは無意味らしい。駄目だ、完全にこいつに遊ばれてる…!!!すると臨也の、唇をなぞる指の動きが止まった。

「こういうことだよ、シズちゃん。俺が君を好きって言うのはね。」

「うるせぇ、知るか!!!!この薬何とかしやがれ!!それと近ぇんだよ馬鹿!!殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!」

「ちょっと…シズちゃんが聞いてきたくせにそれはないんじゃない?」

「あのなぁ、俺が言いてぇのは「言いたいことなら大体は分かるよ」」

なおも至近距離で、臨也は俺の言葉を遮った。

「高校で知り合ってから喧嘩ばっかりだった俺たちだったのに何で、でしょ?」

「あ、あぁ…。」

分かってるんじゃないか。ん?そうなると余計に分かんねぇ…。そんな俺に気づいたのか、臨也はくつくつと笑い、続けた。

「昔からよく言うじゃない?好きな子ほどちょっかい出したくなるって…ね?」

「あぁ?小学生のガキかてめぇ。」

いやいや、そこじゃねぇだろ俺。そもそもナイフで人を切りつける行為がちょっかいで済まされてたまるかってんだ。…あ?となるとこいつ一体何時から…。

「小学生、ね…まぁ君が何と言おうと俺の気持ちは変わらないよシズちゃん。」

すると臨也は、近かった顔をようやく離すと、あろうことか今度は俺の上にまたがった。ベッドのスプリングがその衝撃で軋む。

「あはは!良い気味だねシズちゃん?このアングルから無抵抗なシズちゃんを眺められるなんてさ!!」

「ちっ…てめぇいつか殺してやる!」

つくづくムカつく野郎だとは思ってたが…この野郎…!!!

「ほらほら、そうやって威嚇しない。」

臨也はそんな俺をそう言って適当に受け流すと、ゆっくり俺に覆い被さってきた。臨也は自分の左肘を俺の顔のすぐ横に置いて体を支えると、空いていた右手で俺の髪を何度も掻き上げる。

「…っ!?」

「へぇ…シズちゃんの髪、もう少し痛んでるかと思ってた。」

「てめっ、やめろ!」

そんな俺の言葉を無視し、臨也はそのまま俺の髪に顔をうずめてきた。

「シャンプーも結構良い香りだね…どこの使ってるの?」

耳元でそう言われ、 奴の熱い吐息が耳にかかる。背筋にぞくり、と寒気が走った。俺は、今までに無いその感覚にたじろぐ。

「ッ…!?」

「あれ、シズちゃん…もしかして耳、弱い?」

「…ぅ、ぁ…!」

またもや同じ体勢で言われ吐息が耳にかかり、不覚にも変な声が口をついて出てしまった。くくっ、と笑う臨也の声がはっきり聞こえる。そして次の瞬間、臨也が俺の耳たぶに噛み付いた。

「く…いざ、ゃ…!」

噛み付くと言っても甘噛みなので痛みは無いが、そのせいでかえって俺はまたあのぞわりとした感覚を味わうはめになった。自分でも聞いたことがないような声が、口から漏れる。臨也はなおも俺の耳たぶを噛み続けた。多分今の俺の顔は真っ赤なんだろう。ぞわりというおかしな感覚、羞恥、怒り…俺の頭はいろいろな感情でぐちゃぐちゃだった。

「かわいいな、シズちゃんったら。」

気付くと、臨也の顔が目の前にあった。鼻と鼻が触れるか触れないかの距離―。

「耳だけでそんなに感じちゃった?」

「…。」

多少ぼう、っとする頭では良い文句も思い付かなかった。代わりに思いっきり睨み付けてやる。すると臨也は、急に真顔になり言った。

「そう、その目だよシズちゃん…君のその目に睨まれると俺はどうにかなってしまいそうになるんだよ。」

「…どう、にか?」

しかし臨也はただ微笑むだけで俺の問いには答えない。また臨也は俺の髪を撫で始めた。今度はさっきのように荒々しくではなく、優しく。

「…?」

「…そうだなぁ…」

そして臨也は独り言のようにそう呟くと、俺の髪をすいていた手を離し、ポケットから何かを取り出すと俺の顔の前にちらつかせた。いつも俺を切りつけてくるナイフだ。臨也がそのナイフを片手に妖艶に笑う。

「強いて言うなら…シズちゃんのことが欲しくて欲しくてたまらなくなる。」

「…あ?」

そして臨也は、ナイフで俺の蝶ネクタイをぷつりと切った。そのまま俺のYシャツとベストも引き裂いていく。

「!?ばっ、てめぇ!!」

俺の素肌が直接外気にさらされ、そうなったかと思うと、臨也の手がその上を縦横無尽に這う。

「―っ!!!!」

俺はやっと臨也のやらんとしていることを理解した。気持ち悪い感覚に吐き気をこらえながら、なんとか口だけは固く結ぶ。

「あぁあ、本当にこういうの弱いんだねシズちゃん?」

「―ッ。」

「怖がらなくていいよ、俺のシズちゃん…。」

再び妖艶に歪められた臨也の表情に、俺はもう逃げられないのだと改めて悟った―。





end

え?静雄ですか?大好きですとも←

実は私、狂愛とか鬼畜系が一番好きだったりらじばんだり…。
 

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