雨の波紋
□第4章 暖かい風
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「よし、みんな!行くぞ!!」
メンバーはサッカーフィールドへと駆け出した。
炯もそれに続こうとしたが、一瞬視界が真っ白になる。
地面に膝をついた。
…ヤバいな。
昨日は木暮くんに付き合ってたし、今日もまだ全然…
ちょっと無理しすぎたか。
でも、こんな時に……
「炯ちゃん? 大丈夫?」
「んー…大丈夫。」
吹雪が手を差し伸べてくれる。
「ごめんねっ、ちょっとつまずいちゃったー…」
明るく笑って見せたのに、何故か訝しげな顔をされた。
「…無理しちゃ駄目だよ?」
炯は頷いて、差し出された彼の手を取る。
温かい……
自分の手が思いの外冷えきっていたことに気が付いた。
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