雨の波紋

□第4章 暖かい風
1ページ/9ページ


「よし、みんな!行くぞ!!」

メンバーはサッカーフィールドへと駆け出した。


炯もそれに続こうとしたが、一瞬視界が真っ白になる。
地面に膝をついた。


…ヤバいな。
昨日は木暮くんに付き合ってたし、今日もまだ全然…


ちょっと無理しすぎたか。

でも、こんな時に……



「炯ちゃん? 大丈夫?」

「んー…大丈夫。」

吹雪が手を差し伸べてくれる。


「ごめんねっ、ちょっとつまずいちゃったー…」

明るく笑って見せたのに、何故か訝しげな顔をされた。



「…無理しちゃ駄目だよ?」


炯は頷いて、差し出された彼の手を取る。


温かい……

自分の手が思いの外冷えきっていたことに気が付いた。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ