02 / シチューをどうぞ ――…‥ くつくつ、と鍋が音を立てる。 今夜は少し冷え込むので、慌てて買い物にいって、温かいシチューを作った。 みんなが起きたときに、食べられるように少し多めに。 ‥ 少し、? 暫く1人分しか作ってなかったので、分量がよくわからない。 少し、訂正しよう。かなり多めに。 んー ‥ 。行事で作る豚汁くらいの大きさ。作りすぎた、かな。 まあ、いっか。 一度火を止めて、ぼんやりとみんなを見つめる。 可愛くて、大好きだったみんなが、目の前にいる。 マンガのキャラが実在している、ということなんだ。 ふと、みんなを見渡すと、1人だけもぞもぞと動いている。 みんなより一回り頭が大きい。ヘルメットを被ったスカルだ。 耳を済ませると、リボーン死ねとか、俺の焼きそばパンだとか叫んでいる。 『 ‥‥‥ お、』 ヘルメットを取ると、漫画で見たパンクちっくな顔じゃなくて、俗に言う美少年(美幼児?)。 さらっさらの紫の髪が脂汗でべったりしている。 『いじめられっこだもんね ‥ 』 タオルで優しく拭いて、毛布を掛けなおす。 「んん ‥ っ」 『お』 スカルがぼんやりと目を開けた。 . |