「俺もよく分からないんだが、校内に子供が迷い込んだらしくてなあ」 『へ、へー ‥ 』 「変な子供でな、頭に鷲を乗せていたらしいぞ」 『 ‥‥‥‥ 』 ピキッと額に血管が浮かぶ。先生の証言からして、思い浮かぶのは一人しかいない。 またジョロキアの餌食にされたいのかしら。 『 ‥‥ まったく』 来てしまったものはしょうがない。 私は、授業開始のチャイムを無視して家庭科準備室へと向かった。 ――…‥ 。 『繭ちゃんいる?』 「あ?授業始まってるぞ?」 ドアを開ければ机に足をのせ怠そうに本を読む家庭科教師がいた。 相模繭。神桜高校の家庭科教師であり、お母さんのお姉ちゃんの娘。つまりは従姉妹である。 『最近訳ありでさ、7人の小さい子預かってるの』 「へー、7人か大変だな。 ‥‥ って、7人!?」 持っていた本を大袈裟に落とし、驚く繭ちゃん。 多分これが正しい反応だ。 「 ‥‥ で、外で話題になってるガキがお前んとこのだって?」 『うん』 話せる範囲を誤魔化しつつ繭ちゃんに話すと、繭ちゃんは盛大にため息をついて立ち上がった。 「あー ‥ 、よし、わかった。なんとか誤魔化してやるよ」 『あ、ありがとう!』 「はやく見つけてやんな」 同時に準備室を出て、繭ちゃんは職員室、私は屋上へと向かった。 . |