幸せの旋律*゚

□18
2ページ/4ページ




『早く帰りたい ‥ 』



2時限目が終わり、休み時間になった私はぼんやりと外をみていた。


私の席は窓際の列の一番後ろ。


直射日光がガンガン当たることを除けば最高な席だ。


温かな日差しを受け、これなら洗濯物かわくなあとか、夕飯は何にしようかなとか、家のことばかりが頭を巡る。


気分は大家族のママ。立派な主婦の思考だ。



『 ‥‥‥ ん?』



視界の端で何が動いた気がして窓の外を見れば、下で何人かの先生が慌ただしく走り回っていた。


なんとなく気になって、窓を開けて耳を済ませてみる。



「見つかったか?」


「や、こっちに行ったって山中先生が言ってましたよ」



人探しかな。誰かはわからないが、先生が授業のない時間帯だからとフラフラと歩き回っていてるってとこだろう。


うちの担任がよくやる。


つまらないな、と窓を閉めようとしたとき



「何でうちの学校に子供が迷い込んでるんだ?」


『 ‥‥‥‥ 』



嫌な予感がした。むしろ嫌な予感しかしない。



『 ‥‥ 若松せんせー!』


「ん?黒瀬か?」


『何かあったんですか?』



私がそう訪ねると、体育教師の若松先生は頭を抱えてため息をついた。



.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]