ぐっと拳を作ると風が顔を上げる。 「ひ、雲雀くんは ‥ 酷い方ですよ ‥ !」 涙で潤んだ瞳できっと前を睨む。 「骸君と二人で任務の時なんか、僕を身代りにするんですっ」 無理やり髪を切られたこともあるらしい。 会議が怠いとか、骸が嫌いだからとか、眠いとか ‥ 。 何かある度に身ぐるみを剥がされて、無理やり着れ変えられて雲雀さんにさせられる。 なりきらなくちゃ、トンファーを投げつけられる。 そういう人なんです!と力説し終えたところで我に返る。 「 ‥ はっ !と、取り乱してしまいました」 一人で熱くなってしまったのが恥ずかしいのか、ほんのりと頬を赤く染めた。 そんなに我が儘な人なのか。さすが雲雀さん。 妙に納得してしまう。 そしてとても可哀想になってしまった。 『風も苦労してるんだね ‥ 』 踏み台の上に立つ風をだっこして、後頭部を優しく撫でてあげた。 「っ ‥ !」 「お」 私は、みんな苦労してるんだなあと一人考え込んでしまい、 真っ赤になってしまった風にも、それをみてニヤニヤするリボーンにも気づかなかった。 . |