short novel
□雷なう。
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「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!たすけてぇぇぇぇ!!!!」
「落ち着けよ霧野…大丈夫だから…」
ピッシャーンッ
「光ったぁぁぁぁ!!いやだぁぁぁぁぁぁぁもう神童!!名字に"神"ってついてんだからどうにかできないのぉぉぉぉぉっ!?」
「意味わからんしできるかそんなもん」
「この名前負けぇぇぇぇぇぇ!!!」
「追い出すぞ」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!ごめ、ごめぇぇぇぇ」
ピッシャーンゴロゴロ
「きゃああああああいやああぁぁぁぁ!!!」
…説明しよう。
今日は霧野の大嫌いな雷だ。
なのに霧野の両親は出張と残業で帰ってこないのだ。
雷のとき一人でいることは出来ない霧野は雷の中オレの家に駆け込んできたのである!
そして今霧野は怖さのあまり抱きついてきている。
誰に、って、オレにだよ。
なんて一人で脳内説明していたら…
フッ…と
消えた。
「ひっ………」
電気が。
「ひぃぃいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!真っ暗ぁぁぁぁ!!きゃああああああいやああぁぁぁぁまた雷光ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!神童どこぉぉぉぉぉ!!!」
「オレならお前がしがみついてるものだろ」
「そうだったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドスッドスッ
「こらオレの腹を叩くんじゃない」
暗さに目がなれてきたオレは、霧野の顔が見えるようになってきた。
濡れた瞳。
乱れた髪。
不安げな表情。
ふむ…
「ちょっと神童なに!?ねぇなに!!」
襲 い た い
自分でもなんだかよくわかんないけど襲いたいから押し倒してみた。
ピッシャーン
「きゃああああああまただぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ていうか神童まじなに!!?なにしようとしてんの!?なんで倒すのぉぉぉぉぉぉ!!!」
「オレだけ見れば、オレの声だけ聞けば、雷なんて感じないよ?」
「かっこよくいうなぁぁぁぁぁ反則だぁぁぁぁぁいやぁぁぁぁぁ雷うなってるぅぅぅぅ!う!?んっ!?」
とりあえずキス。
「ん…うっ…」
苦しくなってきたのか口を開けて空気を吸いたがる霧野。
その隙間から舌をねじ込み、
「大丈夫ですか坊っちゃん!!霧野様!!」
「メイドォォォォォォ!!!」
なんともいえないタイミングで懐中電灯を持ったメイドが来た。
霧野はその瞬間2m飛び退いた。
「………お邪魔でしたでしょうか」
「いっ、いや、そんなことなかったですよ、なぁ神童?」
「えぇ全くそんなことありません」
パッ、と電気がついた。
いつの間にか雷も終わったようだ。
「…では私は失礼します」
メイドはパタ、と扉を閉めて去っていった。
「いやーよかったな霧野!雷終わったぞー!!」
「…………の……」
「ん?」
「神童のばかやろぉぉぉぉ!!」
ゲシッ
「飛び蹴りッ!?」
「もうお嫁にいけなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
バターンッ
「あぁ…霧野が去ってしまわれた…」
ていうかアイツは嫁にいくつもりなのか。
オレがいつでも貰ってやるのに☆
あれ?
なんかオレ今日きもくね?
ははは
気のせいかな。
………寝よ。
×××翌日×××
「きーりのっ」
「ふんっ」
ゴスッ
「ちょっと飛び膝蹴りはゲフゥ」
「オレに2週間近づくな!!」
「そんなぁ霧野ぉぉ!!」
「倉間先輩…。キャプテンと霧野先輩どうしたんでしょうか」
「あぁ…色々あったんだな…」
「ちゅーかいつもと立場逆じゃね?」
「気にしないでいましょう…きっと放課後までには戻ってます」
「「そうだな」」
速水の行った通り放課後にはいつもの二人に戻ったとか。
そうでないとか。
===END===
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雷なう。裏話。