テニプリ連載
□10球
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『ん…、あれ』
まだ痛む頭を抑えながら、上半身を起こす
辺りを見渡すといつもと見慣れた風景だった
棚に並べられた本、ベッド。
私のお気に入りの人形。
『……さっきのは』
夢?
しかし、いつの日にか見た顔が目の前に現れた。
「やぁ♪」
『あっ…』
気まぐれ屋と名乗り、私をテニプリの世界へ飛ばした張本人。
夢ではないと思い知らされる
やけにロン毛なイカれた野郎。
残念なイケメン。
アホみたいなしゃべり方する奴。
「いまもしかしなくても失礼なこと考えてるでしょ」
『いえ全然まったく』
「相変わらず失礼な子だよまったく!」
こいつは急に現れたくせに今度は怒ってふてくされて、
まったく何がしたいんだ。
『…あのさ』
声を掛けようとした瞬間、ふてくされてたはずのこいつはチラリと私を見ては不気味な笑みをした
『なんですか』
少し警戒して言えば、クスリと奴は私の頭を撫でてきた。