赤僕連載
□第5話
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『え・・・?』
心臓がドクンと大きく跳ねた。
息をのんで、ずっとおじさんのことを見つめた。
「ついこの間というか、ほんとじつを言うと拓也だって心の奥底ではまだちゃんと実感だってしてないと思う」
「今日はもともと彼女と2人で食事する話だったんだけど、今まで実をまかせっきりにしてた分、拓也に気分転換にと思ってピクニックに誘ってみたんだよね」
「少し、今日だけ彼女を母親だと思ってほしいとも思ったんだけど・・・」
ハハッと少し苦笑いをするおじさんに、少しだけ何があったのかを感じ取った
『もしかして、逆効果だった・・・とか?』
「正解・・・」
おじさんはそう言うと小さくため息をついた
「俺は拓也のことをしっかり考えてあげてなかったんだ…実ばっかり見てた。2人を同等に考えてあげてなかったんだ、手のかかる子でまだ小さい子のことばかりを・・・」
『…』
それだけを言うと、おじさんは“母代わり”の人と実くんのことをジッと見つめていた。
私も言葉を発することができないで、頭の中で考える。
どう言葉をかければいいのか
なにを言えばいいのか