黒執事

□あの御方と私。
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彼は死神界で今も伝説とされている死神。


「ヒッヒッヒ…よぉ〜く来たねぇ、ウィリアムくん。」


現在は人間界で葬儀屋を営んでいるらしい。

そして、極稀に死神界に戻って来た時は、…目を掛けて頂いてます。


ヒヤリとした冷たい指が頬を優しくなぞる。


「…ん」


指先よりは、ほんの少し温かい唇が私に触れて、回された腕に身体を攫われ、足が地を離れる。

気付けばベッドの上に押し倒されていた。


「ウィリアムくん…君はいつ見ても綺麗だねぇ。白磁の肌は滑らかで、いつ触れても手に吸い付いてくるようだよ。」

「…そんな、事は…ッぁ……」


キッチリと着込んだスーツは、彼の手によってスルリと脱がされ、床に落ちていく。


「おや……少し痩せたかぃ?」


露にされた身体に幾つも口付けを落としながら呟かれた彼の言葉に、私はビクリと強張らせる。


「…ぁ……申し訳っン」

「…っふ、小生はねぇ…別に責めているわけじゃあないよ?……大丈夫…多少痩せた程度で、君の魅力は損なわれるようなものじゃない。」


謝りかけた言葉は唇を塞がれて飲み込まされた。

間近に迫った顔の半分は長い前髪に隠されているが、その奥に隠された瞳が細められて私を真っ直ぐに射抜いているのを気配で感じる。


「さぁ、君の全てを今夜も小生に見せておくれ?」


心地良い声に誘われて、私は快楽の世界へと堕ちていく。




終わり。




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