gemello【ジェメッロ】

□麗美
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「ふーん?璃惡に子供がいたなんて。僕、知らなかったな」


葡萄石【プレーナイト】の髪と日長石【サンストーン】の瞳を持つ美男は、ベッドから起き上がり、整った容姿をそのままに毒気なく呟いた。


「どこをどう見たらそうなるんだよ!年の差を考えろ、年の差を!」


璃惡は麗顔を引き吊らせ、場所を弁えない声量で怒鳴り付ける。綺音と水月は美男に手招きされ、ベッドの端に腰を下ろした。


「じゃ、何処から拐ってきたの?」

「だから、じーさんが拾ってきたんだよ!」


美男は綺音と水月の肩を自分の方に引き寄せ、薄く微笑んだ。
璃惡は相変わらずの声量で話続けている。綺音と水月もすっかり呆気にとられてしまったようだ。


「だから──……!」

「はいはい璃惡君。ここは病院だから静かにしてね」


赤鉄鉱【ヘマタイト】の髪と藍晶石【カイヤナイト】の瞳を持つ、大人の色気を放つ長身の美男が扉を開き、室内に入ってきた。
白衣を纏った彼は黒縁の眼鏡を中指で上に押し上げ、溜め息を吐く。


「口論しにきたんだったかな?俺は見舞いにきたんだと思ってたんだけど」


ジェスチャー付きで淡々と話す医者は、綺音と水月を見て微笑した。


「へぇ、知らなかったな。璃惡君って、子供いたんだ」

「だから、俺の子じゃねぇ!」


青筋を浮かべ叫ぶ璃惡に、美男は優しく微笑んだ。


「いいじゃない。良い子達なんだから」

「そういう問題じゃねぇ!」

「私の名前は朔彌【サクヤ】。宜しく」


激怒する璃惡を他所に、朔彌は綺音と水月に手を伸ばした。


「綺音です」

「水月です」

「「宜しくお願いします」」


朔彌は握手を交わした後、綺音が持っていた花束と水月が持っていた果物籠を受け取り、花は花瓶に、果物は机の上にやった。




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