花鳥風月
□こうふうのしるし
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彼の国で
初めて見えたとき
――なんと脆弱な――
あまりにも弱々しい王気に嫌気がさした
そして
女であることにも
また私は
違えてしまったのだと
慶の国は
私の過ちによって滅んでしまうと
絶望した
ところが
次に貴女を感じたとき
貴女の姿は見えなくても
風の中に
貴女を感じられた
角を痛めていても
様々な怨みにまみれても
貴女の紅い光が
私の唯一つの希望だった
まるで
太陽のような
幾年たった今でも
貴女の紅い光は変わることなく
国を照らし続けている
そして
私自身をも