生きてる証

□小学校低学年
1ページ/3ページ


平成元年


東根小学校入学


晴れてピカピカの
小学1年生になった


この時調度家を引っ越した

前の家から車で10分もしない所だ

そこは幼稚園からお世話になっているじぃちゃんばぁちゃん家のすぐ裏


前の家は父が小さい時から住んでた古い家だった

よくネズミがでるような



ウチが小学校に上がった
調度平成元年に
新築一軒家を建てて
引っ越したんだ


白い外壁の2階建て
外から見ると顔みたいに見える

2階にあるウチと兄の並んだ部屋の窓が調度目みたいなんだ

でも2階の天井には隠し扉があり
そこを棒で引っ張ると
階段が出てくる造りになっている
屋根裏に繋がっていて
大人が立つことすらできないくらいの高さしかなく
床はほとんど床とは言えないような家の柱たちがいりくんでいる状態だった

そこは完全に荷物置き場になっていたが
小さいころは
なんか秘密基地みたいで
用もなく階段を出しては登って足の踏み場に気をつけながら遊んでいた

だから友達には得意気に
3階建てと言っていた

今じゃもう何年もあの
天井は閉まったままだ



外には庭もある
と言ってもそんな大きなものではないが
3本くらい松かなんかの木が立ち並び
大きな岩がいっぱいある
そして父の趣味でもある花たちがいつも所狭しと綺麗に咲いていた



そしてそのちょっとしたスペースに
父と兄と3人で
小さな池を作った


全て手作りで
シャベルで穴をほり
コンクリートで固め
周りに石を置き
水を入れた


奥行1m
横幅2m
深さ30cm
くらいだろうか

たまに水を変えたりしながら

魚好きの兄と一緒に釣ってきた魚やお祭りで持って来た金魚などが泳ぎ回っていた


最近は帰っても
あたり前の風景のようにあるその池に
目も止めないようになってしまったが

今だに中には魚がいるのかな

今はだいぶアオミドロたちが増え中は良く見えなくなってしまっている



家の中はと言うと

1階は茶の間と客間
台所とリビング
両親の寝室
風呂とトイレ
そして洋間もある

この洋間は防音になっており
主に音楽をやる部屋になっている

グランドピアノ
チェロ
バイオリン
シンセサイザー
テレビ
コンポ
ステレオ

そして暖炉がある


部屋の一角にレンガで敷き詰められたスペースがあり

その上に小さな昔の機関車の頭みたいな四つ足の黒い暖炉が立っている

銀色の細い煙突は
壁を突き抜けて外へと立っている

冬は父が買ってきた薪が外の庭に並び
それを屶で細く割ったりしてその暖炉で焚いた

上にやかんを置いてお湯を沸かしたり

火が消えかかった頃焼き芋なんかもよくした


そしてその部屋で家族でいろんな楽器を弾いて
ドラマであるような時間を過ごすこともあった


ちなみに父は市内の混声合唱団の指揮者もしていて
ピアノとチェロは趣味みたいなもんだった


台所には母が嫁入りと一緒に持って来た
普通のピアノがもう一台あった
でも母はそんなにピアノが得意というほどでもなかった


そんな影響で兄とウチは小さい時からピアノを習っていて
練習でピアノの取り合いをする事もなかった

というよりウチは練習が大嫌いであまりしなかったかな
母に怒られながら無理矢理やった時もあったよぉな…


ちなみに2階には兄とウチの部屋と
廊下を挟んで奥には父の勉強部屋もあった


子供部屋となるウチラの部屋はフローリングの洋室だった


でもなぜかベッドは畳だったけど
父が畳が良いと言ったらしい
腰も痛くなるしと

ベッドはふかふかの弾むものだという子供心はあえなく散ったのだった

結局今まで通りにちょっと高くなった畳に布団を敷いて寝ていた




兄の部屋とウチの部屋の間は壁ではなく4枚のドアだった

開けてても閉めてても
いいように
そして行き来
しやすいように
という親の考えだったのだろうか


でも残念ながらウチの記憶ではそのドアが開いていたことはほとんどなかったような気がする


別に特別仲が悪くなったとかじゃなかったけど
なんとなくお互い一人部屋が良かったんだと思う


ちなみに兄の部屋の壁は
淡い水色に薄い黄色の星の模様が敷き詰められていた

そしてウチの部屋の壁は
白に淡いピンクのリボンが敷き詰められていた


この時もまたウチは
自分の部屋は
こっちがいいと
青い星の部屋を希望した


まさかさすがに部屋までその時のワガママが通用することはなく


渋々ピンクのリボンの部屋に決まってしまった


今はいても特に
気にならないが
翌々考えてじっくり部屋を眺めると笑える
ウチがピンクのリボンの部屋って…笑



こんな感じで小学生になったウチの新しい家での新しい生活がスタートしたのだった

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ