コルダ3創作
□退けない(冥vs火)
3ページ/3ページ
「小日向を離せ。」
「触んじゃねぇ。」
「貴様のものではない。」
「てめぇのもんでもねぇだろうが。」
「(何話してるか聞こえない…!)」
小日向がギブアップの合図の様に、火積の背を叩く。
彼女が息苦しさを耐えている間、二人の男はひたすらに睨み合っていた。
火積の腕から解放された少女は、続いて冥加にその身を確保される。
「行くぞ、小日向。」
「へっ?な、何どこへ」
小日向の腕をしっかりと捕らえ、足早にその場から去ろうとする冥加に対し、もう一人の男が制止をかけた。
「逃げんのか?」
「野良犬との喧嘩に付き合うほど暇ではない。」
「さっきから“野良犬”って誰に言ってやがんだ…?」
「貴様だ。」
二人の睨み合いはまだ続いている。
「私、喉渇いちゃった…自販機行ってくるので冥加さん、ちょっと腕離して下さい!」
間に狭まれた少女は、喉の渇き故に、二人の男に構う余裕などなかった。
恋とは
譲れないものなのだ。
END
_