コルダ3創作
□羨望(榊→小日向)
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「‥ホントに大丈夫だって。律には俺がうまく言っとく。ひなちゃんは安心して部活に出て。ね?」
「…はい。すみません、大地先輩…。」
「わかったら、君は部活に行く準備しておいで♪」
「はい。じゃあ…先輩、また後で。」
ひなちゃんがぺこりと会釈して、去っていく。
「また後でね。」
俺も笑顔で返す。
でも、心の中では…
(素直に返事してくれたけど、内心響也のこと気にしてるんだろうな…)
笑顔でなんていられない。
幼馴染みの為に走り出しそうとした彼女を引き止めたのは、
焦りや嫉妬に間違いない。
「幼馴染みっていうのはいいね。」
(無償で気にかけてもらえるのが羨ましい。)
「…俺ってこんなに余裕のない男だったかな?」
なんの意味もなさない独り言。
(…これからは本気出そうか。)
“本気”なんて単語が、俺の頭に出てくること自体、珍しい気がする。
「頑張らないとね。」
END
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