遙か創作
□可愛い人(遥か4)
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ずっとずっと
守ってきた。
ずっとずっと
貴女だけを。
─可愛い人
ver.風早─
「千尋、夕飯の支度が出来ましたよ。」
そう言って、千尋の部屋の戸を叩いた。
しかし返事はない。
「千尋?……開けますよ。」
戸を開けると机に伏せた状態で、すやすやと眠りにつく千尋の姿。
「…眠っていたのですね。」
ほんの少し苦笑いをして、千尋の髪を手で流す。
「千尋、そんな体勢で眠っていると体を痛くしてしまいますよ。」
「…ん…」
(本当に…)
「千尋」
「…ぅん……かざ、はや…」
きっと狂わされてしまったのだろう。
「ふふっ」
(愛らしくて仕方ない)
彼女が自分の中心で
彼女以外守りたいものなどなく
彼女だけをこの目に映しておきたい
きっと狂ってしまったんだろう。
「千尋、
愛していますよ。」
この、可愛い人に。
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