コルダ創作

□3.関わるな(柚日)(お題)
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第1セレクションまで、あと6日…


(今日は屋上で練習しよっと。)


屋上への扉を開いた、その瞬間。


あの人の姿が映った。


(ヤバイ…!!)


私は思わず、扉を閉じてしまった。


(……でも…今なんか…)


私はもう一度扉を開く。


(……)


柚木先輩の後ろ姿が、何故だか切なく見えた。


(………)


「ん?」


(わっ!!こっち見た!)


「…何してんの、お前。」


(…なんで…?なんか前より棘がない気が…)


「オイ、返事しろよ。ていうか、扉閉じろ。」


(気のせい…?)


私はどうしてか、柚木先輩に言われた通り、扉を閉じて、屋上に出た。


「練習?」

「へっ?あ、はい。」

「…まだ諦めないんだ。」


(やっぱ気のせいだ。また憎まれ口。)


「諦めません。」

「強情だね。」

「…先輩、どうしてそんなにやめさせたいんですか。」

「何回言わせる訳?邪魔だからって言っただろ。」

「…どうしてそんなに追い詰められてるんですか?」

「…何が?」


その瞬間、先輩の目にいつもの冷たさが見えた気がした。


「別に私なんて放っておけばいいじゃないですか。それなのに、わざわざ“優しい柚木先輩”投げ出してまで、どうして潰しにかかるんですか?」

「お前…」


先輩はいつもの低いトーンで、いつもの冷たい空気を放ち始める。


「これ以上俺に関わるな。」


そして、そう言って屋上を出て行った。



「関わるなって……先輩が先に本性見せたんじゃない…っ」



私は、何故か


胸が苦しくなった。







to be continued…
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