コルダ創作

□3.関わるな(柚日)(お題)
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「みんな、応援してるよ。」


そんなの、みんながみんな応援してる訳じゃない。


「日に日に上手くなってるし!」


本当に?

でもね、私、

素人なんだよ?












「……あー…もう…」


あの人の言葉が、頭から離れない。


(せっかく練習室借りたのに…そういえば、あの人が初めて私にキツイこと言ったの、ここだった…)


優しい人だと聞いていた。


(なんで…)


常に笑顔を絶やさない人だと。


(あんなに意地悪な人、他に知らない)















「…最悪…。」


私が、その人のことばかり考えていたからだろうか。

下校時間…

目の前には…


柚木先輩。


(どうしよう…正門にどーんといるよ…。…帰れない…。)


私は柚木先輩に言われた通り、先輩を避けていた。

次に会ったら何を言われるか分からない、と思っていたからだ。


先輩が屋上にいるのを見れば、私は森の広場へ行った。


先輩がエントランスにいるのを見れば、私は練習室にこもった。


それでも、会ってしまった。


(…はぁ…仕方ない…。覚悟を決めて…行こう。)


案の定、ヒドイことばかり言われて。


悔しいけれど、泣いてしまった。


「よしっ!行くぞ!」
















(………何もなかった…)


私は案外あっさりと難関を突破できてしまい、拍子ぬけしてしまっていた。


(…あ…。そっか…)

「あの人…私以外には優しいんだもんね…。」


何故だろう。


こんなにも悲しいのは。




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