遙か創作
□最愛の人(季あ)
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そうだ。
そなたこそが、私の待ちわびていた…
最愛の人。
「だめだ…落ち込んでばかりいちゃ…」
(…あかね…私は、そなたに…)
「なぜだろうな。」
あかねに向かって歩みを進める。
「──っ…」
傘を持っていないあかねを自分の傘に入れてやる。
「そなたにきっと会えると思っていた。」
「っ…季史さっ…」
「会いたかった…」
「私も…っ」
今にも零れ落ちそうなほど目に涙を溜めて私を見つめるあかね。
──あかね…
「あかね…」
──そなたを…
「愛している。」
ずっとずっと…
探していたんだ。
俺の
──私の
生涯唯一の
──最初で最後の
愛しき人。