遙か創作

□欠けたモノ(崇→ゆ)
2ページ/3ページ




(なにが、救世主だ)


「八葉は、自分たちのことで手一杯じゃないか。お姉ちゃんが何してようと、結果だけを見て喜んでる。都姉も都姉だ。ナントカの一つ覚えみたいに、二言目には天使天使って。本当に天に召されたら笑ってられるのかな?」


(なにが、天使だ)


「瞬兄も………星の一族だから何?知ったことじゃないよね。星の一族は、先代の遺言通り、神子を守りました。めでたしめでたし…なーんて、めでたいと思えるのは、瞬兄だけじゃん。」


(なにが、龍神の神子だ)


「バカだよねーみんな、自分のことばーっかり。江戸を救うためーとか、日本のためーとか、平和を取り戻すためーとか。龍神の神子は、命削ってるっていうのにさ。」


(お姉ちゃんは…)


「…………バカだよ。」


誰が気づいているんだろう?

神子の命は、時空を超える度に削られていると。


誰が案じているだろう?

神子が陽炎や怨霊を封じる度、命の灯が消えてゆくこと。


「全部、知っているのは、神とお姉ちゃんとボクと…あの術を施した奴…」




_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ