コルダ3創作
□言ったもん勝ち(悠人vs新)
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「空が青いね〜っ」
「空は青いに決まってる。」
「悠人、違うよ、曇ってる空はグレーだから。」
「…そういうのは屁理屈って言うんだ、新。」
「悠人ってば、もうちょっと柔らかくなりなよ〜。」
「なんで。」
「理由なんてありませんデス。」
今日は従兄弟の悠人と駅前に来てる。
せっかく横浜に来たのだから、オレの家族と悠人の家族でホームパーティーでもしようっていう話になって、若者は買い出し係になったから。
「荷物。」
「え?なになに?」
「“何”じゃない。荷物持てって言ってんの。」
ずい、とスーパーの袋を差し出す悠人。
「ちょっと待ってよ、どうしてオレが2つ持つの!」
3つ袋がある内の2つを差し出された。
「男なんだからこれぐらい持て。」
「悠人だって男じゃん!ヤダヤダ!オレ、か弱いんだもん!」
「どこが。着くなりお菓子コーナーに全力疾走してたくせに。」
「か弱いからこそ甘い物でパワーを養うんだよ!」
「いいから持て。」
「悠人、チェロ奏者なんだからこんなの余裕でしょ!?」
「こんな所で浪費したくないから。」
「むっきー!オレだって…………あれ?」
「?」
「かなでちゃんだ!」
「え」
悠人の手から、2つの袋を奪い取るように持って、遠くに見えた彼女の姿を追いかける。
「おいっ、新!」
「お〜いっ!かなでちゃ〜ん!」
バタバタと走って、名前を呼ぶと
「新くん!?」
ビックリ顔で振り返った彼女。
「はぁ〜追いついた!」
「びっくりしたぁ…お買い物?」
「うん!お手伝い、だよ♪偉い?」
持ってた袋を上げてみせて、アピール。
「ん、偉い♪」
「撫でて撫でて〜♪」
そう言って頭を突き出すと、かなでちゃんはクスクス笑いながら撫でてくれる。
「新っ!」
そこで聞こえたのは悠人の声。
「あれれ、悠人」
「“あれれ”じゃないっ!」
ゼェハァ言いながら怒ってる悠人。
「どしたの?」
「お前っ、急に走り出してっ…何かと思えば」
「悠人くん?」
「…小日向先輩…こんにち、」
なぜかは知らないけど、悠人が一点見つめてフリーズ。
その目線は、多分、オレの頭。
「悠人、く‥ん?」
「新」
「へ?」
「小日向先輩から離れろ。」
「えぇ〜なんで」
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