コルダ3創作

□波乱(東金+小日向)
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街中で、挙動不審な女を発見。


「…お前、何やってるんだ?」


普段なら知ってる奴だろうとこんな変な動きをしていれば無視するところだが、周囲に仲間だと思われてもいいだろうと意を決して声をかける。


「わっ!……東金、さん」

「あぁ」

「あの…その、」


その女の手には、地図が握りしめられている。


「…なんだ、もしかして路頭に迷ってるのか?」

「違いますよっ!ただ、目印を見失って…!」

「目印?」

「‥この地図によると、“月花堂”っていう和菓子屋さんが…」

「それ、もうとっくに通り過ぎてるぞ。お前、今この通りを歩いてるんだが。」


間髪入れずに相手が広げた地図の一部を指差す。


「えぇっ?!いつの間にこんな脇道に入ってきちゃったの!?」

「知らねぇよ。で?」

「は?」

「頼めば目的地まで送ってやらなくもないぞ。」

「………………相変わらずですね、東金さん。」

「どういう意味だ。」


先日、遠征兼視察(俺にとっては後者が比重を占めてるが)に訪れた星奏学院で出会ったこの女。

名前は小日向かなで。

年下のくせに何かと口出してくる。


「じゃあ…市民ホールまでお願いします‥。」

「あ?月花堂までじゃないのかよ?」

「それは目印ですもん。最終目的地はホールなんです。」

「…それが人に物を頼む態度か?」

「‥すみません。」


気まずそうに目をそらす小日向に背を向け、歩き出す。


「ついて来いよ。じゃなきゃ放っていくぞ。」

「あっ、待って下さい!」















星奏学院の連中は今、兵庫つまりは俺達の地元に遠征に来ているらしいことは耳にしていた。


「なんで大通り歩けばいいだけなのに迷うんだ。」

「ま、迷ったつもりはありません。」

「迷う気満々で歩く奴がどこにいるんだよ!アホかお前は!」

「うっ」


恐らくこいつは、方向音痴もしくは迷子体質なのだろうと思いながら道を進む。

小日向も置いていかれないようについてくる。


「つか、まず目印が間違ってんだろ。市民ホール目指すなら、その周辺に設定しろよ。月花堂って、バス停から3分も離れてねぇし。」

「…降りたバス停から順序つけて辿っていくつもりだったんですもん。」

「……お前…目的地まで何分かけるつもりだ。スタンプラリーじゃないんだぞ。」




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