コルダ3創作

□一緒に(響也+小日向)
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「響也くん、またサボり…?」


屋上のベンチに寝そべっている響也くんを見つけた。


「お、かなで。」

「“お”じゃないよ、律先輩が怒ってるよ?」

「あんなクソ兄貴、ほっときゃいいんだよ。」

「もう…部活始まってるんだから、早く!」


腕を引っ張り起こそうとするけれど、そう簡単には起き上がらない。


「ったく…かなで、まるで母親だな。」


小さく溜め息をつき、からかうように笑う響也くん。


「笑い事じゃないよ…律先輩、最近眉間のシワ濃くなってる気がして…だからちょっとでも刺激を減らしたいの!」

「‥よく見てんだな、兄貴のこと。」

「え?そんなことないよ。」

「まぁいいや。かなでも休めよ。」


クイッと、掴んでいた腕を引っ張り返され態勢を崩す。


「わっ…」


倒れかかった勢いで、響也くんのお腹の上に手をつく。


「ぅげっ」

「あ、ごめん。」

「おま……内臓出るかと思ったぞ。」

「そこまで強くなかったでしょー?」

「いや、お前、ちょっとぐらいは痩せろ。」

「体重のせいなのっ?!」

「ほら、肉がこんなについてんじゃねぇか。」


ふにふに、と私の二の腕を触ってみせる響也くん。


「あーーっ!!!もうっ!やめてよーっ!」

「おらおら。」

「〜っ仕返ししてやるっ!」


お腹に置いていた手を脇腹へ移し、コチョコチョとくすぐる。


「ばか!やめっ…ひっははっ!や、めろっての‥かなで!」

「うりゃうりゃ〜」

「こいつ…っ!」


たまらなくなったのか、ガバッと勢い良く起き上がった響也くんは、キッと睨んでみせる。


「お前なぁ…俺がそれ苦手ってわかってんだろうが!」

「響也くんが私の嫌がることするからだもん。」

「…仕方ねぇ、許してやろう。」

「うわ、偉そう!」


お互いに顔を見合わせ、声を出して笑う。


「ほら、響也くんっ!」


機嫌が良くなったのを見計らって、片手を差し出す。


「あ?」

「部活!一緒に行こ!」

「………しょうがねぇな。かなでのワガママ聞いてやるよ!」


響也くんはまた偉そうにそう言って、私が差し出した手に自身の手を重ねた。


「おら、行くぞ!」


しっかりと繋いだ手は、

強く引っ張られ。


「私が呼びに来たのに…」








一体どっちが

君を必要としてるのか。






 END

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