コルダ3創作
□一緒に(響也+小日向)
1ページ/2ページ
「響也くん、またサボり…?」
屋上のベンチに寝そべっている響也くんを見つけた。
「お、かなで。」
「“お”じゃないよ、律先輩が怒ってるよ?」
「あんなクソ兄貴、ほっときゃいいんだよ。」
「もう…部活始まってるんだから、早く!」
腕を引っ張り起こそうとするけれど、そう簡単には起き上がらない。
「ったく…かなで、まるで母親だな。」
小さく溜め息をつき、からかうように笑う響也くん。
「笑い事じゃないよ…律先輩、最近眉間のシワ濃くなってる気がして…だからちょっとでも刺激を減らしたいの!」
「‥よく見てんだな、兄貴のこと。」
「え?そんなことないよ。」
「まぁいいや。かなでも休めよ。」
クイッと、掴んでいた腕を引っ張り返され態勢を崩す。
「わっ…」
倒れかかった勢いで、響也くんのお腹の上に手をつく。
「ぅげっ」
「あ、ごめん。」
「おま……内臓出るかと思ったぞ。」
「そこまで強くなかったでしょー?」
「いや、お前、ちょっとぐらいは痩せろ。」
「体重のせいなのっ?!」
「ほら、肉がこんなについてんじゃねぇか。」
ふにふに、と私の二の腕を触ってみせる響也くん。
「あーーっ!!!もうっ!やめてよーっ!」
「おらおら。」
「〜っ仕返ししてやるっ!」
お腹に置いていた手を脇腹へ移し、コチョコチョとくすぐる。
「ばか!やめっ…ひっははっ!や、めろっての‥かなで!」
「うりゃうりゃ〜」
「こいつ…っ!」
たまらなくなったのか、ガバッと勢い良く起き上がった響也くんは、キッと睨んでみせる。
「お前なぁ…俺がそれ苦手ってわかってんだろうが!」
「響也くんが私の嫌がることするからだもん。」
「…仕方ねぇ、許してやろう。」
「うわ、偉そう!」
お互いに顔を見合わせ、声を出して笑う。
「ほら、響也くんっ!」
機嫌が良くなったのを見計らって、片手を差し出す。
「あ?」
「部活!一緒に行こ!」
「………しょうがねぇな。かなでのワガママ聞いてやるよ!」
響也くんはまた偉そうにそう言って、私が差し出した手に自身の手を重ねた。
「おら、行くぞ!」
しっかりと繋いだ手は、
強く引っ張られ。
「私が呼びに来たのに…」
一体どっちが
君を必要としてるのか。
END
_