遙か創作

□欠けたモノ(崇→ゆ)
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「あー疲れた」


靴に入り込んだ砂を吐き出すべく、適当に座り込む。


「………吐き出しても吐き出しても、キリがない。」


一面が砂の世界。

走っても、歩いても、キリがない。

砂だけの世界。

果てはない。

キリがない。

ボクの中に溜まった、不満や愚痴や憎しみや怒りや悲しみや…淋しさと同じ。


(バカみたい)


これまた吐き出してもキリのない溜め息が、口から洩れる。


「はぁー………バッカみたい!」


その言葉は、誰に、何に向けたものだろう?


「みーんな、必死になってさ!あはは!」


笑うことしか出来なくなったのは、いつからだっただろう?


「頑張ったって意味ないのになー」


靴から吐き出した砂は、まるであの人が持つ砂時計のよう。


「………バカみたい…バカみたいバカみたいバカみたい…っ」


脱いだ靴を勢いよく放り投げた。



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