遙か創作
□欠けたモノ(崇→ゆ)
1ページ/3ページ
「あー疲れた」
靴に入り込んだ砂を吐き出すべく、適当に座り込む。
「………吐き出しても吐き出しても、キリがない。」
一面が砂の世界。
走っても、歩いても、キリがない。
砂だけの世界。
果てはない。
キリがない。
ボクの中に溜まった、不満や愚痴や憎しみや怒りや悲しみや…淋しさと同じ。
(バカみたい)
これまた吐き出してもキリのない溜め息が、口から洩れる。
「はぁー………バッカみたい!」
その言葉は、誰に、何に向けたものだろう?
「みーんな、必死になってさ!あはは!」
笑うことしか出来なくなったのは、いつからだっただろう?
「頑張ったって意味ないのになー」
靴から吐き出した砂は、まるであの人が持つ砂時計のよう。
「………バカみたい…バカみたいバカみたいバカみたい…っ」
脱いだ靴を勢いよく放り投げた。
_