□April*fools!
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タッツ総受け気味な気もしないでもないギャグ。2Pあります









「はよー」
「おはようございます!めっずらしー!達海さんがちゃんと起きてる!」
「ひっでぇ言い種、まぁいいや。そうそう、ちょっとお知らせっていうか、聞いてもらいたい事があんだよ」
「え、何?」
「俺さあ、後藤と付き合ってんだよね。そういう意味で」
「へえ、そうなんだってぇえええええええええッ!?」

それはその日の朝、まずそうあり得ない達海の早起き(とは言ってもそう昼も遠くない時間であるが)から始まっていた騒動の起爆点であった。その大絶叫はまさしく起爆点である。外にいた雀達が飛び立った。

「え、つ、つき、そういう意味でってどういう」
「そういう意味でってそういう意味でだよ。そんでさぁ、俺達今度結婚する事になったから」
「えっえええええええええっ!?後藤さんとけ、けけっけ」
「結婚。まあ男同士だから養子縁組って形になるけど。後藤の方が年上だから俺のが息子って形式でーそんなわけで俺もうすぐ後藤猛になるから。よろしく」
「よ、よろ、よろしくって、えええ!?」

超弩級の問題発言を放り投げ、投げておきながら当の本人はしかし何事も無かったようにスタスタとその場を去っていった。

さて、大絶叫は大絶叫である。
それはそれは大音量である。
何せ大音量であるから選手達もその声を耳にした。そしてその尋常でない大絶叫に椿お前ちょっと様子見てこいと椿がお使いもとい偵察に出され、そして俊足の彼は一度目の叫びの後間もなく達海の居室近くに辿り着いた。具体的に言えばそういう意味でってどういう、の、どういうの辺りに辿り着いたのであってすなわちその後の会話を椿は聞いた。そしてそのままその場で固まった。

「つ、椿くん!も、もしかして今の聞いた…?」
「は、ははははい、あの、いや、えっと」

しどろもどろさに聞いた事実が全面に押し出されている。そうこうしている内に戻って来ない椿をいぶかしみ世良もまたお使いもとい様子見にやって来た。

「す、すんごい絶叫っしたけど何かあったんすか?」
「何にも無いよ!ね!椿くん何にも無いよね!」
「は、はい…!俺何も聞いて無いッス…!」

二人の様子からして明らかに何かあったのは確かだったが、主に有里からのプレッシャーに負け世良は聞くのを諦めた。
だがしかし。

「おーいお前らちょっと集合ー」

その頃芝生の上に渦中の人、というか巨大な渦を作った本人はいた。

「今日は皆さんにお知らせというか報告がありまーす」

はたして再び大絶叫は上がった。

「え、ちょ、え!?向こうからも絶叫ってえ!?」
「はっ…!達海さんだ…!盲点だった!」
「か、監督…!聞き間違いじゃ、無かったんだ…」

世良は結局事の内容を知らないままである。
世良ともう一人、状況を知らない選手が遅れて達海達のもとへやって来た。ジーノだ。

「やあ、タッツミー」
「よーうジーノ」
「…ところでこれは一体どういう状況だい?」
「ん?ああ、ちょっとね。俺からの個人的な報告が刺激強すぎたみたい」

これ、というところの状況は一部選手は呆然と自失し、一部選手は溜め息を付き、また一部選手は抱腹絶倒の爆笑をしたりしているカオスのことである。誰がどうなっているかはご想像にお任せします。

「どんな報告か僕も聞いていいかな」
「えー、聞いちゃう?気になる?」
「とてもね」
「何か素直に教えんのもつまんないから俺からは教えなーい」
「酷いなあタッツミー、僕だけ仲間外れにするなんて」
「いやー?そういや椿と世良がいねえな」

ちょっと見てこよ、と達海は肩に腕を回すジーノをスルーし、自習ーと言い残してクラブハウスへと向かった。

「で。ザッキー、何の報告があったんだい」
「ああ、監督が結婚するらしいですよ。後藤GMと」
「おやおや、それは確かに中々刺激的な報告だね。…どうせなら相手役が僕なら良かったのに」
「てめえジーノ!赤崎も!何でそんな平然としてんだよ!かかか監督が結婚だぞしかも…」
「うるさいよナッツ。存在そのものが喧しいんだから大声を出さないでくれる。今日が何日かもわからない程君は馬鹿なのかい?」
「今日が何日か位俺にも分かる!4月1日だろ!…ん?4月1日…?」

抱腹絶倒していた辺りと溜め息をついていた辺りは既に気付いていた事実に残りの何人かもその言葉に理解した。そこに至ってようやく某32歳もとい某キャプテンが我に返ったとか返らなかったとかは皆さんのご想像にお任せします。



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