自由な短編集
□病ませてみた。
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リトバス葉留佳を病ませてみた。
君は、私に優しくしてくれた。
だから、大好きになったんだよ?
でも、私は言い出せずにいる。
苦しいのに。辛いのに。怖くて言えない。
お姉ちゃんは、祐輔くんとよく話してる。
私も話すけど、お姉ちゃん程じゃない。
「三枝」
「あ、祐輔くん!?」
いきなりだから驚いた。
「どうしたよ、んなにボーっとして」
「え?あ、何でもないよ」
私を心配してくれてるんだ。
嬉しくない訳がない。
「まぁ、何かあったら言えよ?」
「本当に何でもないよ。やはは…」
嘘だ。
大好きな祐輔くんの事を考えてたんだよ。
何でもない訳が無いよ。
「俺、意外と心配して「神崎、ちょっといい?」…あぁ」
え?何で?
お姉ちゃん、祐輔くんを奪わないで!
気づいたら、お姉ちゃんを殴っていた。
顔が赤く腫れている。
「はる、か…何で…」
「…祐輔くんを、奪ったからだ」
そして、私は手を振り下ろした。