自由な短編集

□素直って……
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「あ、佳奈多さん。はろー、えぶりわんですー」


「あ、祐輔。どうしたの?」


理樹。助かったぜ。


「理樹、実は葉留佳のせいで」


「はい!!はるちん参上!!ってしまったぁ!?」


「はいチェストぉー!!」


理樹が口を開いた瞬間木から出てきた葉留佳をかかと落とし。


この間、わずかコンマ7秒。








「いやー、ちょっとした気まぐれですヨ。やはは」


縄で吊り下げられた葉留佳をクルクル回す。


「わ、わふ〜!ふらいんぐひゅーまのいどです〜!」


「いやいやいや、飛んでないから」


理樹とクドは、漫才みたいな事をしていた。


「クド、よく見てろよ。いまからこいつを大気圏外までブチ上げてやるから」


そう言って葉留佳を指差す。


「祐輔待って!!クド本気にしちゃうから!」


「わたしアホの子ですか!?」


「冗談だって。あとクド。間違った解釈しない」


「は、はいです……」


マズい。このままだと漫才トリオだ。


「ふえ?何してるのはるちゃん」


「こまりん、た〜す〜け〜て〜」


風でより一層クルクル回る。


「祐輔、そろそろ下ろしたら?」


「だな。ラジコン飛行機並みに回ってるし」


すでにクルクル、なんてレベルではなくギュンギュンと回っている。


「ん?理樹に祐輔、何してんだ?」


どこからともなく真人が出てきた。


「真人、あれ止めて!!」


回る葉留佳を指差す理樹。


「んなこと言ったって、うわ!!速すぎるだろ!」


その無駄な筋肉は役にたたねぇのか。
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