小説

□名を....
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『以蔵っ!!』


『いぞーっ!!』

『いーぞーっ!!』





朦朧とした意識の中
思い出すのはあいつの声


あいつが俺を呼ぶ声

あいつが俺の名を呼ぶ度に
俺の心はくすぐったいような


そんな感情を抱いていたんだ

お前はしっていただろうか?



だが、もうその声を聞くことは
できやしない


だけど俺は呼び返して
くれない声にむかって
叫ぶ



『名無しさんっ......』


そして俺は静かに目を閉じた
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