ロジパラEXT
□ロクデナシ戦線
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[あの世よりの使者]
─────時幻党、大食堂調理室。
本日の夕飯担当。祟場、優人(女子)
『先生、お皿洗っていてください、俺、お魚焼いときますから』
『了解。優人、味噌汁の具は何にする?』
『うーん、みんなは何が好きなんだろう?』
『愁水先生は小松菜。真木は浅蜊。黒衣さんは・・・何でも食うな。芝祈さんは油揚げだったか。イノセントは知らないが。ジャリかなんか食わせとけばいいんじゃないか?』
『あはは、見事にバラバラ・・・先生は?』
『俺は、茄子かな?』
『茄子?じゃあそれが食べたい、ちょうど冷蔵庫に入ってたし!』
『ん?お前のリクエストはないのか?』
『先生が好きなやつを食べたい!』
『そうか。なら美味いの作ってやるから待ってな』
『わーい』
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─────────・・・・
『イチャコライチャコラしてんじゃねぇよクソボケ師弟が。あーなんかムカつくな。なんだってんだ、最近妙に目につくな、バカップル共が・・・』
『うーん。いわゆる独身男の僻みですねぇ・・・』
『まぁ、人のもんをぶんどるのも一興かもしれねぇがな。望まれずに相手を蹂躙するってのは酷く興奮するぜ、泣いて嫌がってる奴をいたぶり尽くしてだな───』
『へ。変態さん・・・気持ち悪いのです。リアルで見たのは初めてかもしれないです・・・』
『あ?! つうか誰だテメェ!!』
『あ、どうも。初めまして。私、下北沢って言います。何か開ける扉を間違えて来ちゃったみたいです・・・』
『・・・来ちゃった?そんな簡単に来られるような場所じゃねぇぞ、此処は』
『うーん。私も困ってまして。小一時間ぐらいさまよってたら、いい匂いがしたので。来てみたら 何だか変態さんが物陰から新婚さんを妬んでいたので・・・』
『・・・色々聞き捨てならないが。何だ、お前、煉獄の匂いがするな。それにどっかで見たような顔だ。うちの奴か?』
『よく判りません。病院とか、ガッコーから来ましたけど』
『・・・、御子柴の創り上げた方か。なるほど。しかし、現世との境目には見張りがいただろう。一介の魔物相手に虚像の間は簡単に開かねえ。どうした?』
『見張り?あ、鬼の人がいましたけど。退いてくれないし、ウガーって来たから金鎚でガツーンと』
『ほう。あれを殺したのか、お前。面白ぇじゃねぇか。そんなひょろっちい身体で、よくやれたな』
『便利ですよ?金鎚・・・。大抵ガツーンって』
『・・・、ところでお前。男か?女か?イマイチ見分けがつかねぇな』
『えーと。どっちでもないのです。いや、どっちでもあるのか・・・よく判りません。私、四国さんとか、新槌さんとか。可愛いのが好きです』
『何言ってんだかわかんねぇ。随分と不安定な奴だな。まあ、いい。で。お前、結局何なんだ?どうしたいよ?帰りたいか、煉獄に?』
『帰る?うーん。帰りたいと言うか、私、行き先はあれど、帰るおうちはありませんので。帰りたいと言うのは違う気もしますが・・・四国さんが、おうちに帰りたがってましたけど』
『まあ。あんな腐れた場所じゃあ。帰った所で落ち着かねえ。ノアが邪魔くせぇし』
『?』
『よし、じゃあ、お前。暫く俺に付き合え。暇つぶしにぐらいなんだろ。面白ぇ逸材だ。不安定だが、俺と同族の気配がすんぞ。少しは楽しめそうじゃねぇか』
『うーん? 変態さんと同行するのはちょっと・・・どうせなら、ああ言う親切そうで爽やかな人達がいいなあ・・・変態さんは、なんか、ダメです。可愛くないし』
『なんかって何だよ・・・まあ、いい。とりあえずなんだ? 一応、家主に許可取るか。真木の糞野郎が大人しくしとけってうるせぇからな』
『はい?』
『暫く置いてやるっつってんだ。ここに来たって事は相当、魔力を使ってるだろうし。簡単には帰れねぇぞ。軌道を渡るにも体力がいる。俺は門を開けるが。開いた所で渡れずじまいだろう』
『体力?確かに少しお腹が空きました・・・うーん。よく判りませんが、変態さん実はお優しいんですねぇ。私、人見知りなんですが、変態さんは何故か平気です。何故でしょう?』
『まあ、同胞だからだろ。或いは・・・いや。何でもねぇ。何れにせよ系統が近しいんだ。俺は同族に対して優しい方なんだぜ。これでもな。腐れた御子柴とは違って・・・。ムカついたらぶっ殺すけど』
『同族・・・私、変態さんじゃない・・・』
『そーゆー意味じゃねぇ!!』
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