ロジパラEXT

□聖夜は混沌につき
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[聖夜の鳥肌奇跡(episode:2)]




昨年、とんでもない媚薬を作り上げ
クリスマスを混沌に陥れた真木は
みんなから死ぬほど怒られて
とっても反省しました。
だから、彼は考えたのです。
今年は間違っても
あんな風にならないように
良い薬を作ろうと。




『出来た!! ゲスモマジメニナールEX』



『また凄いネーミングですねぇ、叔父。効果を聞かずとも、その名前が全てを表していて、グッドです〜』



『HAHAHA!! どや、僕だってやればできるのさ!! さあ、これを誰に使うかだが』



『そのネーミングからして適役は一人しかいないじゃないですかー』




『そう、そうなんだよ、流石は姪だ!! 賢い!! 普段から真面目な奴にこれをかけても意味は無いのさ!! 普段、外道な奴にこそかけて効果を発揮する!!』



『と言うわけで〜』



『チミの出番なのだよ、ロア氏』






『だああああっ!! テメェら卑怯くせぇんだよ!! 人が寝てる間に二人がかりで拘束魔法なんざ使いやがって!!放せ!! 離さないとマジでぶっ殺すぞ、糞共が!!』



『動けないのにどうやって殺すのですか〜、さあ、イノセさん。お薬の時間ですよ、ふふふふふふふふふ』



『黒衣!!目が、目がやばいぞ、お前!! おい、真木、テメェ何とかしろ!! 後で超稀少なヒトクイ花の苗をやる。だから俺を解放しろ、どう考えても嫌な予感しかしねぇ!!』



『ヒトクイ花の苗は欲しいけど、それよりも僕は、このお薬で昨年のクリスマスの名誉を挽回したい訳ですよ、HAHAHA』



『というわけです、うふふふふ。はい、どーぞ』





ばしゃっ・・・・






『──────ギャアアアアアッ!!!』







────────────────・・・
───────────────・・・






───────時幻党 大食堂.





『・・・・』




『あ、魔王様です』



『おや、メフィおはよう。珍しいじゃないか、こんな時間に起きてるなんて』



『イノセさん、ほら、今年もミスティルテインのクリスマスツリーですよ? 綺麗じゃないですか?』



『・・・・』



『イノセさん?』



『───ああ、本当だ。とても綺麗だ。色とりどりの光が、この錆び付いた心を暖かい気持ちにしてくれる』





『!?』



『!!?』



『!!!?』



『・・・、何かちょっと様子がおかしいんじゃねぇっすか? 六天魔王がツリー見て言うようなセリフじゃねぇ・・・糞キメェっすよ』



『ど、どうしてしまわれたのですか、魔王様!! 病気ですか!? 病気なのですか!?』



『メフィ、可哀想に。ついに頭が・・・』



『イノセさん、どうしたんです、転んで頭でも打ったんですか!?大丈夫ですか!?』



『いや、俺もどん引きだけどさ。結構ひでぇもんだな、みんな』






『クリスマスか・・・楽しみですね。ふふふ、今年もサンタクロースは来てくれるのかな?』



『・・・ちょっと先輩、見てくださいよ、俺。鳥肌っすよ、鳥肌』



『大丈夫、俺もだから』



『魔王様が、魔王様が変になってしまったのですよー!! うえええーん!!魔王様ー!!』



『ヨルムンちゃん泣かないで、大丈夫さ。メフィは、元々変だから。大して差し支えはないよ。ただちょっと・・・今は気持ち悪いだけで』



『いんや、フォローしてるようで何一つフォローしてねぇし』




『フフフ。賑やかな方達だ。では、僕はこれで。朝の散歩の時間なのでね』



『・・・デフォルトで死にそうな顔してる目の下クマ男に、朝の散歩とか言われてもな・・・』



『ぎょぎょぎょー?』



翻訳(彼は何らかの魔法にかかってるんじゃなかろうか?)




『・・・ですよね、多分』



『まあ。だとしたらどうせ真木か誰かの仕業だろ。良いんじゃない? 放っておいたら。どうせメフィだし。どうってことないよ』



『確かに。何だか真人間みたいになってるからな。あれの方が害はねぇのかもしれねぇっすけど───なんつうか』



『・・・そうそう。なんかだか調子が狂うというか・・・』



『真面目な魔王様は魔王様じゃないのです・・・』




真木の怪しげな薬のせいで
真人間にされてしまったイノセント。
みんなに気持ち悪がられるイノセント。
ヨルムンガンドを本気で号泣させる程
薄気味悪いイノセントの爆誕に
今年の聖夜の運命は如何に!?



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