あの夕日に。

□拾玖。明かされた過去
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『前の、神…?』
《そうだ》


真理は話し出す


《まだお前が…両親を亡くして間もない頃だ

お前は独り悲しんでいた

両親がいない…ただそれだけで友もできず独りだったお前は、泣いてばかりだった

そこで、前の神…私にとって"親"にあたる神はお前を異次元に連れてきた》


《お前は、前に一度だけこの世界に来たことがある》




時間が、止まった気がした




『、ぁ…あ』
《思い出せ、前の神と何を約束した?》
『、…!』

《お前は私の"親"に、何と言われたんだ?!》

真理が叫ぶ


親が死んだのは千鶴のせい

親が死んだのは親自身がそう望んだから



千鶴を救いたいと



《私も、親が護り抜いた者を護りたい…

だから、私に教えてくれ


お前は私の親と契約をした筈だ


契約の、約束の内容はなんだったんだ…!?》




───バチンッ




『ぅああああっっっ!!??』



絶叫、果ては涙



《?!》
『ぐ、ぁ…!?』
《オイ!》
『護ル…?真理、…?』



どこか上の空、

でもしっかりした口調で



『巫…女?』
《みこ…だと?》



『護レ…消しテはならぬ』



凛、と



『真理ハ、守護者』

『内の、一人』



《一人、だと…?》



『決して…巫女を一人にしてはならぬ』



それは、言う



『今まで…よク護ってキたな…』



まるで親のような言葉で



『契約内容ハ…教えテはならヌ』

「っ何故ですか…?!」

『それが、竜神とノ約束であり誓いでもアる』

「竜、神…?」

『護れ…決してあト五月、巫女を消シてはなラぬ』


『お前に、任せたぞ…』




『我が息子よ』




千鶴は、倒れた


意識を失ってか、否か




「巫女…」


真理は、千鶴を見た


「っ…お護り致しましょう…我が魂に誓って」






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