〜表〜

□抜かしてやるから
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「清田、あんた牛乳何本飲んでんのよ。」
『6本目だ』

同じクラスの★★は呆れたように俺を見る

(誰のせいだと思ってんだ)

俺の日課は牛乳を一日5本は必ず飲むことだ

煮干しも一袋食うし、なんでかって?

それは全部この目の前にいる憎たらしい女のせいだ


俺と★★は仲が良い、自分で言うのもあれだけど本当に仲が良い

どの位仲が良いかと言えば互いの家に泊まりに行くくらいだ

やましいことが一切ないのが辛いけど

★★も女子バスケ部で同じルーキーだし、何より俺はこいつが好きだ

完全な一目ぼれで俺と同じ位の身長で綺麗って言葉が合っている女だと思ったくらい

ある時、仲が良いから俺は何気なく好きなタイプは?と聞いた


「あたし、自分より10p位デカい人が好きなんだよねー」

この言葉のせいで今俺はこうして身長を伸ばすために日々努力してんだ


「清田、今日部活?」
『休みだけど、どした?』
「バッシュ買いに行きたいから付き合ってよ」

神様ありがとうと感謝をしつつ、俺らは店に向かった


バッシュを買いに行き、帰りは寄り道をしてクレープを食べたり、ゲーセンに行ったりした

こうしてるだけで付き合っているのではないかと錯覚するくらい幸せだ


「清田今日ありがとね」
『いいってことよ!かっかっか!』

あーこのまま時が止まればいいのにそう思った矢先だった

★★が今まで歩いていたのに当然止まる

どうした?と声をかけても反応がない

★★の目線の先には


『赤毛猿!?』
「野猿?それに◯◯!」
「久しぶりだね!花道!」

(あ・・・?◯◯だと!?)

この俺でさえ★★なのになんで赤毛猿は名前呼びなんだよ!

多分頭に?マークが浮いてたからだろう★★が中学一緒なのと教えてくれる


にしても赤毛猿が★★の隣に立つと★★が少しだけ小さく見える

しかも★★の雰囲気がいつもと違う気がする

女らしいというか照れ笑いとかそんな感じだけど・・・そんなまさかな


「桜木君おまたせ!」
「晴子さん!そしたら行くな!野猿次は負けねーからな」
『かっかっか!やれるもんならやってみろ!』

女の子は★★とは正反対で守ってあげたくなるような子で赤毛猿と去っていく


俺らも行こうぜと★★の方を見ればしゃがみこんでいた


『★★?』
「あの子、彼女かな」
『は?』
「だからさっきの女の子!」
『さぁ?あんな赤毛猿に彼女なんて』
「花道はモテるの!」

とてつもなく嫌な予感がする


「花道はね!すごい仲間思いでいい子で」


それ以上は言わないでくれ


「あたし、花道の事が好きなの」


予感は当たってしまった

流石にこのポジティブな俺様でもこれはきつい


俺の方があいつより★★を幸せにできる自信がある

★★のこと大好きだし

なんで俺じゃなくてあんな赤毛野郎

うすうす気づいてたけどな

確か、赤毛猿と★★はちょうど身長が10p位の差だった気がする


『俺が赤毛猿絶対抜かしてやるから』

色んな面で全部あいつより上を行ってやる

だから泣きそうな顔をしないでくれよ

俺だって泣きたいよ

27/08/30

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