〜表〜
□うるさくてごめんなさい
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『君が胸を焦がすから夏が熱を帯びていく〜♪』
なんて良い天気なんだ〜
お昼休みのこんな時は屋上でこの歌を歌うのが一番!!
(……なんか人の気配が…っ!?)
『うわぁぁっごめんなさい!!!』
自分が気づかないだけでそこには人が横になっていた…自分のせいで起きた感じで。
しかもその相手が………流川君。
違うクラスの友人が「゙何人たりとも俺の眠りを妨げる奴は許さん゙」
と言っていたのを聞いた位彼は眠りを妨げられるのが嫌いらしい
(やばい、厄介な奴の前で歌った)
『うるさかったね、ごめん。自分消えるね!!!』
何かされる前にとりあえず逃げろ
これが私のルールだ!!急いでその場を後にする
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「はぁ!?寝ている流川君を歌って起こした?」
『声でかい!!』
次の日友達に報告すれば驚きながらも笑われる
自分だって好きで彼を起こした訳ではない
むしろあのまま歌って居たかった・・しかも大切な手帳をなくすし
(今は雨降ってるし……あっ!!雨なら寝てないよね!!)
そう思った自分は友人の忠告を聞かずに傘を持ち屋上へ上がる。
何歌うかな〜なんてのんきに考える自分
『雨燦々と〜この身に落ちて〜』
「ばばくさ」
『えー良い歌じゃん!ってる、流川君!?』
一人しかいないと思いきやまた自分よりもはるかに身長の高い彼が傘も差さずに立っていて
なんで私こんなに彼に遭遇するの?ねぇ!親衛隊のみなさん教えてよ
とりあえず雨の中で濡れるのはまずいと思い、必死に背伸びをしながら傘を差すも彼の頭に傘が直撃する
『ご、ごめんなさいいいい』
皆のアイドルに攻撃した殺される・・パニックになりつつ傘を無理やり持たせ退散しようとするも腕を掴まれる
「待て」
『は、はい』
「これ・・・・あんたの?」
そう彼が腕を放してポケットから取り出してくれたのは無くしていた手帳だった
まさか流川君が拾ってくれたとは思いもしなかった
『ごめん、ありがとう!』
頷くとんといい傘を返されて学校の中へと戻っていく
意外と優しい人のなのかもしれないそう思いながら微笑んでしまう自分
もう少しで授業が始まってしまうので教室へ戻る
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それからというもの自分が屋上に行き、歌っていれば流川君が来て歌を聞きながら寝るということが増えていった
自然と自分の警戒心もほどけ普通に会話を交わすようになった
「あんた・・・あの手帳」
『あー流川君が拾ってくれたやつね中身見た?』
いつもの様に歌っていれば拾ってくれた手帳の話になり中身を見たか聞けばコクリと頷く流川君
あの手帳は友人におすすめしたいをメモしていたのだ
その曲を聞いてもらって共感してもらったり、元気になってほしいということで大切にしていたのだ
「俺のはねぇーの」
『流川君の?』
いつもは私が一方的に話しかけるだけなのに今日はやけにしゃべるなと感じてしまう
(流川君のはむずかしいな)
『気の合う友達君がいうならそれで無邪気に惹かれ騒ぐ僕の心を憎めばいいんだろうー好きになりたくなかった』
まずい歌を歌ってしまった、これは流川君のじゃない
自分が流川君に対して考えてることじゃないか
実は自分は流川君の事が気になってしまっていた
話すうちに最初の印象とは違い優しかったし、ギャップ萌えってやつかな?
『これは、自分の歌!流川君は・・・いつも支えてくれる人達に日頃の想いを込めたラプソティー アプリシエーションの気持ちよ届け』
あははこの曲でどうよと不自然に笑いつつも納得いかない相手の顔をみて納得してよと心の中で願う
ちょうど良いタイミングでチャイムが鳴り、教室に戻ろと相手を立たせて背中を押す
身長的に背中というよりは腰に近いけどまぁそこは気にしない