耳袋〜みみぶくろ〜
□一緒に来た
1ページ/1ページ
今はもう無いカラオケボックスでの話です。
学校帰りに女の子3人でカラオケボックスに行ったんですよ。
結構古いカラオケボックスなんですけどね。
部屋は狭いし、防音も微妙な感じの。
まあ、歩いていける距離だったから何度か行ってましたね。
その日も何と無く行っただけなんですけど。
伝票切られて、部屋に通されて。
だけどその日に限って、やたらに機械が選曲エラーするんですよ。
曲が入らないっていうならまだ分かるんですが、誰も入れてないのに知らない曲が予約されてる。
古い白黒画像の頃のアニソンとかね。
まあ、古い機械だから仕方ないかと誰も気にも留めなかったんですよ。
寧ろ「ウケるー」とか言ってた位で。
時間が来て、部屋を出て清算するときになって、一人が伝票見て「あれ?」って言うんです。
見れば、客数が4人になってる。
店員に「客数4人になってるよ」って言ったら、受付してくれた店員が言うんですよ。
「4人いましたよね?」って――
あの時、部屋にはもう一人いたみたいなんですよね。
何だか、怖いというか妙に納得してしまったんですよ。
だって、当時はコードを打ち込むタイプだったから、誰かの曲が間違ったなら兎も角。
選曲が一回りするたびに知らない曲が入ってるなんてありえないでしょ?
選曲の順番はきっちり守ってくれてたみたいで。
部屋代ワリカンしてくれたら尚、良かったんですけどね――