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□アヒル改めエリザベス
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依弥は、やはり懐かしい気持ちにさせる。
髪や目の色が似てるわけでも、声色が似てるわけでもない。
強いていうなら、その目の光の強さがあいつに似てる。
楽しそうに笑う顔も。
極めつけは、じゃんけん。
あいつも、被ったらじゃんけんをしようと言ってきた。
だからだろうか、依弥に敬語を使われると鳥肌が立つ。
普通に話してくれるようになってホッとした自分がいた。
だが。
名前を聞かれ、身体が強張った。
今まで普通に話していたが、依弥は真撰組だ。
悩んでいると、依弥が先に名乗った。
その突飛さに、驚いた。
けれど、それが俺の背中を押したのかもしれない。
依弥が桂、と呟いて固まった時には、寒気がした。
やはり、こいつは真撰組だ。と。
いくら友に似ているからと、油断するべきではなかった。と。
ヅラだと言われた時は、つい反射的に反論したが、依弥は俺を知らなかったのか…?
なぜかはわからないが、依弥が変わらない笑顔を向けてくれたのに、とても安堵した。
不思議だよな。
まだ会ってから2日しか経ってないのに、ずっと昔から知ってる気がするなんて―――
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