mi&ta
□雨の日
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『ただいまぁ』
あの綺麗な人と別れたあと、急に雨脚が強くなった。
おかげで私は"濡れ女"だよ……。
『……妖怪だぁ……』
自分で言って、怖くなった。
今の時間帯は、みんな道場で稽古だ。
誰もいない、はず。
後ろをちらちら見ながら、お風呂へと向かう。
風呂からあがって、疲れがピークに達した。
全力疾走した身体は鉛のようだ。
そのまま、深い眠りへと吸い込まれていった。
どれくらい寝てたのかわからないが、頭を撫でられた気がした。
飛び起きると目の前に人がいた。
目を見開いて固まった私を見て、くっくっと笑う。
それでもなお固まっている私の頭をもう一度優しく撫でて、兄ちゃんは出ていった。
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