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□あたしは真撰組
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兄ちゃんと別れて幾星霜。
現在、私は真撰組でお世話になっている。
今まで住んでいた家は、攘夷激化と共に追われる羽目になった。
高杉晋助が住んでいた場所という事で、幕府から御用改めがあったのだ。
いつでも出れるように準備はしてあったので、幕府に見つかることなく、無事逃げ延びた。
しかし、行くあてもない私は路頭に迷った。
路地裏でしょぼくれている所を、近藤さんが拾ってくれたのだ。
思えば、来た当初から波瀾万丈というか、何と言うか……
兄ちゃんが有名になった事で私が高杉晋助の血縁者だと知られてしまうのではと、心配して挙動不審になったり、
手料理をみんなに振る舞ったら、それが私の仕事になったり、
攘夷志士に人質にとられる程戦闘能力がない事が発覚して、戦闘要員から省かれたり。
(その後で近藤さんに泣き寝入りして、武術教えてもらって、そこそこ刀が使えるようになった)
兄ちゃんとは会えないけど、約束通り手紙をくれる。
頭を撫でられる夢を見た朝、枕元に置いてあるのだ。
手紙の内容はいたってシンプル。
例えば……
〔虹がでた。 兄〕
〔暇すぎる。 兄〕
〔腹減った。 兄〕
〔睡眠不足。 兄〕
兄ちゃんからの手紙は、全部冊子に纏めて、鞄に入れてる。
こうしておけば、いつでも読めるからね!
(まぁ、人質にとられたのは、それを読んでたからなんだけど)
兄ちゃんは攘夷戦争の後も、運動を続けてる。
活躍は真撰組にいれば必然的に手に入るから、安否確認もできる。
真撰組のみんなは、大事な家族。
高杉晋助は、大切な家族。
いつかは、真撰組のみんなに私が高杉晋助の妹だと打ち明けなければならない。
そして、
いくら手紙で、無事かどうかわかるとしても、
やっぱり
兄ちゃんにも
会いたい………
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