mi&ta
□あたしは真撰組
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「依弥、今から攘夷運動が激しくなる。
だから、しばらく別れような…?」
そう言う兄ちゃんの顔を、まともに見れなかった。
俯いて、溢れそうになる涙を堪えるので精一杯。
『…み……』
「…?」
『手紙、書いて、くれ、る…?』
「あぁ」
優しく頭を撫でてくれる兄ちゃんの温もりが、その証のようだ。
『――死ぬなよ』
男言葉になるのは、悲しみを堪える時の私の癖。
くすり、と笑う気配がした。
兄ちゃんがしゃがんで、目線を合わせてくる。
「当たり前だ」
兄ちゃんの力強い瞳が、私を安心させてくれた。
「またな」
くしゃくしゃと私の頭を撫でて、兄ちゃんは仲間の元へ向かう。
『高杉晋助を、よろしくお頼み申し上げます』
背伸びして、大人びた口調で呟いた私の声は、兄ちゃんにも、仲間の人達にも届いてないだろう――――
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