MSA

□始まりの I's
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(なんだったんだろう?)

雲雀が唇を重ね合わせてきた。
キス・・というにはあまりにも可愛らしい羽のような触れ合い。

(でも・・オレの初めての・・キス)

ポッとほんのり頬に熱が集まるのを綱吉は感じる。
なんだか酷く恥ずかしいし照れくさい。



ベッドの上で枕をギュッと抱えてゴロゴロと転がる綱吉にハンモックの上で愛銃を磨きながらリボーンは呆れた視線を送る。

(男にキスされたことはどうでもいいのか?)

読む気はなくてもダダ漏れの綱吉の心情に何とも言えない気分で深いため息を吐いた。


――――――――――


翌日から雲雀は綱吉の隙をついては唇を奪った。
渡り廊下を歩いている時はすれ違いざまに、獄寺達と歩いている時は物陰に引っ張り込まれて、放課後の補習時に居眠りをしていればその眠気を覚ますように。

触れるだけの軽いキスを何度も何度も。


(どういうつもりなんだろう?)

寝る前に布団に潜り込み考える。
雲雀は何も言わない。
何も言わずに、ただ掠め取るように唇を奪う。
そっと自分の唇に触れて綱吉は思った。

(・・練習とかなのかな?)

いつかどこかの好きな女の子とするための。
綱吉は男にしては華奢な何処か少女じみた自分を意識していた。
そんな男臭さを感じさせない自分なら練習にはもってこいなのかもしれない。
自分なら男だし言いふらしたりしないからって分かってるから。

(オレみたいなダメツナ・・練習にしかなんないよな)

自分で自分の考えにズンと凹んでもう寝ようとギュッと目をつぶった。




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