SSA

□キラキラ☆きらめきサマー
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1時間経過しても相変わらず雲雀は席を立たない。
綱吉は居心地の悪さを感じていた。
小さく溜息をつくとそれを耳にした雲雀が

「ごめんね」

これが片付いたら一緒にお茶しようと声をかけてくれたので綱吉は嬉しそうに返事をした。

よしと声をかけて立ち上がる雲雀に満面の笑みを浮かべてご苦労様ですと綱吉はいたわる。
ソファの隣に腰かけて大きく息を吐き首を回す雲雀に綱吉は仕事大変そうと呟く。

「明日から夏休みだろ?」

浮かれたバカが大量発生するし夏祭りもあちこちであるからショバ代の回収もある。
それに黒曜に六道が戻ってきたからそちら方面の強化もしなきゃならないし・・

雲雀が話す忙しさの理由に綱吉はただでさえ大きな瞳を見開く。

零れちゃうよとおかしげに笑う雲雀に綱吉は慌てて

「夏休みなのに!」

ヒバリさんとたくさん遊ぼうと思っていたのに。

と、この言葉に雲雀はその秀麗な眉を寄せると無理だと言い切った。

「仕事がある」

悲しそうに俯く綱吉の頬にそっと手をあて、わかってよと言えば小さな唇を突き出すようにして、はいと小さく返事を返した。

「・・じゃオレみんなと遊びますね」
「・・えっ?」

ニコリと雲雀に笑いかけそっと手を外すと

「獄寺君や山本にキャンプに誘われてるんです」

後、来週はディーノさんが花火大会があるからこっちに来るって言ってたし。
京子ちゃん達に海にも誘われてるしと次々と遊びの予定を上げる綱吉に雲雀から怒りのオーラが上がる。

「・・なにそれ」
「えっ?」
「僕が仕事の間、他の奴らと遊ぼうっていうの」

君って子は薄情だね、とプイッと横を向き拗ねる雲雀に綱吉はクシャリと顔をゆがませる。

「ああ、それとも浮気のつもり?」

僕なんかと過ごすよりよっぽどいいよね、それともやっぱり笹川の妹がよくなった?

「委員長!!」

おやめくださいと声をかける草壁にハッとしたように横に座る綱吉を見やればブルブルと震え目にはうっすらと水の膜が張られていた。

「・・つな「・・キライ・・」」

慌てて伸ばした手をバシリと音を立てて払われる。

「ヒバリさんなんか・・キライ」
「・・つなよし?」

綱吉の紅茶色の瞳からポロリと一粒、転がり落ちた真珠は綱吉のズボンに吸い込まれた。
フラリと立ち上がり大きく息を吸い込むと

「ヒバリさんの・・ばかぁぁぁぁ!」
「綱吉!」
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