SSA

□No.1になりたいの
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シモンファミリーとの闘いが終わり日常へと戻りつつある中、僕があの時に感じた嫌な予感は一番最悪な形で当たってしまった。



中庭で昼ご飯を食べる綱吉たちに今日も近づくふくろう。


「骸!」
「今日もチョコをいただきに来ましたよ」

バサバサと大きな羽をはばたかせて綱吉の腕の中に納まりながらも決して君に会いに来たんじゃないんですからねと悪態をつきながら綱吉からチョコを食べさせてもらう。

「はい、あ〜ん」

パクッと口に入れるたびに可愛いな〜と言いギュッと抱きしめる。

(あんの・・腐れパイナップルが!)

応接室からその光景を見ながら何もできない自分に腹を立てながらカーテンを握りしめる。

そんな時だった。
僕の肩口に止まっていたヒバードが綱吉をめがけて飛んで行ったのは。




「うわっ!」

不意に迫ったヒバードに驚きその手にあったフクロウを取り落して両手で顔を庇うように前に押し出すとパサリという音と共にヒバードがその手に収まった。

『サワダツナヨシ』

愛くるしく小首を傾げてヒバードが沢田に話しかけるとキラキラとした笑顔で

「・・可愛い!!」

と言ってきゃあきゃあと騒ぎ始めた。

『カミコロスヨ』
「え〜やだ〜」

まるで女子中学生のような綱吉とヒバードの遣り取りに周りはほのぼのとしたものを感じて思わず見入ってしまう。

ヒバードは綱吉の手の上から離れ周りをフヨフヨと飛び始めると耳や頬をついばみ始めた。

『ツナ、ツナ』
「あっ・・やん」

くすぐったいよなんて言いながら赤らむ頬に周囲は声もかけられずにいると遂に綱吉のサクランボのような唇をチョンと啄んだ。


我慢できずに応接室の窓から飛び降りると

「・・ちょっと君、調子に乗りすぎなんじゃないの」「ヒバリさん!」

ヒバードに向かって脅しをかけるが小首を傾げてヒバードはとぼけて見せた。
ジッと睨みつけていると勘違いした綱吉がビクビクとごめんなさいと謝ってきた。

「ヒ、ヒバリさんの鳥に馴れ馴れしくして・・すいません!」
「・・・」

(そうじゃないんだけど、どうしよう?)

大きく煌めく涙目に何も言えないでいるとヒバードが一鳴き。

『オヤツ』
「!」

エッと呆ける綱吉がまた可愛いなと思いながら

「・・ソレ連れて応接室に来てくれる」
「あっ、はい」

そっとヒバードを抱えていつものメンバーに行くねと声をかけると雲雀の後をチョコチョコとした足取りで着いて行った。
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