LS
□僕達の距離〜ゆっくりゆっくりシリーズ
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雲雀恭弥という人は『並盛の秩序』『最強で最恐の風紀委員長』とまぁ軽く上げただけでもかなりの恐怖や畏怖の代名詞をもつ人だ。
かくいうオレ自身もあの人は血も涙もない冷たい人間であるから近づいてはいけない人だと常々思っていた。
・・・んだけど最近になって少しヒバリさんの見方が変わったのはオレが偏見をもっていたのかオレの心境の変化なのか・・・
「雲雀との親交を深めろ」
「・・・はっ?」
家庭教師であるリボーンが唐突に何かを言い出すのは今更なので大抵の事には驚きはしないが今のはさすがに驚いた。
エスプレッソを優雅に飲みながらニヤリと笑いもう一度
「雲雀と仲良く茶でも飲んで来い」
「無理」
今度は即答で答えた。
だって無理だろう?お茶どころか視界に入った瞬間に瞬殺されるわ。
仮にお茶を飲めたって会話なんか成り立ちそうもないしオレは危険なことには極力近よらないと決めてるんだ!と言うことを喚いた。が、先生はクイッとエスプレッソを飲み干しカップを置くと懐から愛銃を取り出しオレに狙いをつけ
「グダグダ言ってねぇでさっさと行きやがれ!」
こうなればもう言ううことを聞くしかないオレは仕方なく学校に向かった。
休日でも間違いなく学校だろうとにらんだ通りヒバリさんは学校にいた。
応接室の重厚な扉を恐る恐る叩くと入るように促され
「しっ失礼します」
「・・・なに?」
広い机の上には書類らしきものが広がり何やら忙しいのではないかと思われた。
(やべぇ・・こんな状態の時にお茶でもなんて言ったら間違いなく咬み殺されるよ・・リボーンの奴・・帰ったらぶん殴ってやる)
目線がオレに向きバチッと合ったところで
「いっ忙しそうですね・・」
「・・用件は?」
持っていたペンを置き両手をあごの下で組んでオレをジッと見つめるヒバリさんにいくばくかの覚悟を決めて
「おっお茶を・・飲みませんか?」
と視線をそらすことなくなんとか言うことができた。
後は咬み殺されればリボーンにもいい訳ができるだろうとよくやったオレと自分を褒めながら襲い来るであろう痛みに目をギュッとつぶった。