LS

□ギフト
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沢田綱吉…14歳はいまだ夢の中であった。

昨日から普段騒がしいわが家はランボの里帰りについてみんなでイタリアへ一ヶ月の旅行に出ていた。
そのため家はめずらしく人気もなくシンとしていた。
学校があるため綱吉は怖い家庭教師と二人で家に残った。
その家庭教師に夕べは遅くまでネッチョリと勉強をさせられ倒れ込むようにベッドに入り込み今まで夢の中というわけである



「…んにゃ…京子ちゃん……」

なにやらむにゃむにゃと寝言を呟き寝返りを打つ。

同じクラスの憧れの女の子の夢をみているらしくニヘラっとほやけたかと思うと

「・・嬉しいよ・・オッオレも・・」

なにやら怪しげな呟きとともに蒲団をギュッと抱きしめる。

「・・・うにゃ」
(・・・んっ?)

何やら声がしなかったか?
眠りの底から少しづつ覚醒していく意識の中に何やら自分以外の存在を感じる。

抱きしめていた存在を確かめるため手を上下にぽんぽんと動かす。

(・・なんだろ?小さい頭・・子供・・ランボじゃなくイーピンでもない・・)

それは滑らかな髪と小さい丸い頭 。
明らかに同居している子供達より小さくサラサラとしている。

(・・だれ?)

未だに働かない頭に仕方なく閉じていた目を開く。
すると二つの黒い宝石の瞳が柔らかい光を讃えて

「おはよう〜ママ」

と満面の笑顔で挨拶をした。
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