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□約束
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冬の空は空気が澄んでいるせいか高く透き通り果てなく遠くに思えた。
そんな空に一つポツリと浮かぶ雲は手を伸ばしても絶対に届かないあの人を思い起こさせた。
さっき欠伸でごまかした涙が頬を伝って流れ落ちた。
−−−
「十代目、ご存知でしたか?」
両手を上げて空に、雲に向かい手を伸ばす。
「まだ・・知りたくなかった。早いよ・・」
溢れ出す涙を止める術なく零れるままに顔を下げ自分を抱くように両手を交差させ力を篭めた。
「・・ふっ・・あっ」
涙は止められなくても泣き声は我慢させようと体に力が入る。
ズルズルとしゃがみ込み小さく体を丸めこのまま消えてしまいたいと考えていた。
(この心で燃え上がる熱が消えないなら・・切り取ることができないなら・・)
「・・なぜ泣いてるの?」
振り返れば今、最も会いたくない人物がいた。
優美な仕草で前髪をかき上げ氷の様な眼差しでオレを見詰める。
並中の風紀委員長、ボンゴレの雲の守護者そして・・
オレの想い人、ヒバリさん